筋強直性ジストロフィーで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
筋強直性ジストロフィーは、その名の通り「筋強直(ミオトニア)」が主要な臨床症状の一つです。これは、筋肉の収縮後に弛緩が遅れる現象で、特に握手後に手が開きにくいなどの形で現れます。この特徴は疾患名の由来にもなっており、診断上非常に重要です。他の選択肢は、遺伝形式、発症年齢、顔面筋の関与、認知機能障害といった点で誤りです。本疾患は常染色体優性遺伝であり、顔面筋も特徴的に侵され、認知機能障害もよく見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋強直性ジストロフィーは成人期に発症することが多い疾患です(先天型もあります)。5歳までに発症するとはいえません。正しくは:発症年齢は出生直後から老年期まで幅広く、成人期に発症することが多いです。選びやすい理由:特定の疾患が特定の年齢層で発症しやすいという知識は重要であるため、一見正しそうに思えるかもしれません。混同注意:特定の疾患の好発年齢に関する知識と混同しやすいです。
- 2. 筋強直性ジストロフィーの遺伝形式は、常染色体優性遺伝です。伴性劣性遺伝ではありません。正しくは:遺伝形式は常染色体優性遺伝です。選びやすい理由:遺伝性疾患には様々な遺伝形式があるため、伴性劣性遺伝も可能性の一つとして誤って選んでしまうことがあります。混同注意:デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど、他の筋ジストロフィーの遺伝形式(伴性劣性遺伝)と混同しやすいです。
- 3. 筋強直性ジストロフィーでは、顔面筋(特に眼瞼下垂や顔面筋萎縮による特異な顔つき:ミオパチー顔貌)が特徴的に侵されます。むしろ顔面筋の関与は重要な診断ポイントの一つです。正しくは:顔面筋も特徴的に侵されます。選びやすい理由:全身の骨格筋が侵される疾患であるため、顔面筋の特異な関与を見落としがちになることがあります。混同注意:他の筋疾患や神経疾患における顔面筋の関与の程度と混同しやすいです。
- 4. 正解。筋強直性ジストロフィーの最も特徴的な症状の一つがミオトニア(筋強直現象)です。これは、一度収縮した筋肉がすぐに弛緩せず、持続的に収縮してしまう現象を指します。
- 5. 筋強直性ジストロフィーでは、中枢神経系も影響を受けるため、多くの患者さんで認知機能障害(例えば、遂行機能障害、注意力低下など)や精神症状(無気力、抑うつなど)が見られます。小児期発症型では知的障害を伴うこともあります。正しくは:認知機能も障害されることがあります。選びやすい理由:筋疾患であるため、筋肉以外の機能障害を軽視しがちになることがあります。混同注意:他の純粋な筋疾患(例:デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど認知機能障害が主症状ではないもの)と混同しやすいです。
国試ポイント
筋強直性ジストロフィーの病態、臨床像、特に特徴的な症状や遺伝形式について正確な知識が問われています。疾患名に含まれる「筋強直」というキーワードが最大のヒントとなります。他の筋ジストロフィーとの鑑別点も理解しているかを確認する意図があります。
混同注意
他の筋ジストロフィー(特にデュシェンヌ型や福山型など)の遺伝形式、症状、合併症と混同しやすい。ミオトニアを伴う他の疾患(例:先天性ミオトニア)との鑑別も重要。
次に同じ論点が出たら
筋強直性ジストロフィーの症例問題が出た場合、ミオトニアの有無、発症年齢、顔面筋の関与、心臓合併症、内分泌異常、認知機能障害の記述があるかを確認し、これらが疾患の診断や病態に関連するかを判断する。
関連知識
筋強直性ジストロフィーは常染色体優性遺伝疾患で、CTGリピート配列の異常伸長が原因です。主要症状はミオトニア、筋力低下、筋萎縮に加え、眼瞼下垂、嚥下障害、心伝導障害、白内障、内分泌異常(糖尿病など)、認知機能障害など多臓器にわたる症状を呈します。特に顔面筋の萎縮による特徴的な顔つき(ミオパチー顔貌)も重要です。