視神経脊髄炎で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
視神経脊髄炎(NMOSD)は、自己免疫性の中枢神経系疾患で、特徴的に視神経炎や脊髄炎を主体とした再発寛解性の経過をとります。再発ごとに神経学的障害が蓄積し、重度の後遺症につながることが多いため、再発予防が非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。視神経脊髄炎(NMOSD)は、特徴的に再発と寛解を繰り返す疾患であり、多くの場合、一度の再発で重度の後遺症を残します。
- 2. レム睡眠行動障害は主にパーキンソン病などの神経変性疾患やレビー小体型認知症でみられる症状であり、視神経脊髄炎(NMOSD)の主な症状ではありません。正しくは:視神経脊髄炎(NMOSD)では、視力障害、脊髄炎による運動麻痺や感覚障害、膀胱直腸障害などが主な症状です。選びやすい理由:神経系の疾患であるため、睡眠に関する症状も関連すると誤解される可能性があります。混同注意:睡眠障害全般、特に不眠や過眠などの非特異的な睡眠障害と混同する可能性があります。
- 3. 視神経脊髄炎(NMOSD)は自己免疫疾患であり、むしろ自己免疫の異常な活性化によって発症します。免疫不全状態が直接的な発症リスクを高めるわけではありません。正しくは:視神経脊髄炎(NMOSD)は自己抗体(特にアクアポリン4抗体)が自身の神経細胞を攻撃することで発症します。選びやすい理由:多くの疾患が免疫不全と関連するため、一般的な知識から誤って選択されることがあります。混同注意:感染症と自己免疫疾患の関連性(例:感染を契機とした自己免疫反応の誘発)と混同する可能性があります。
- 4. JCウイルス感染は進行性多巣性白質脳症(PML)の原因ウイルスであり、視神経脊髄炎(NMOSD)の原因ではありません。視神経脊髄炎は自己免疫疾患です。正しくは:視神経脊髄炎(NMOSD)は、主に自己抗体(特にアクアポリン4抗体)によって引き起こされる自己免疫疾患です。選びやすい理由:中枢神経系の脱髄疾患として多発性硬化症(MS)があり、MS治療薬による免疫抑制がPMLのリスクとなるため、これらが混同されやすいです。混同注意:他のウイルス感染による神経疾患(例:ヘルペスウイルスによる脳炎)や、多発性硬化症の治療中に問題となる日和見感染症と混同する可能性があります。
- 5. 抗コリンエステラーゼ薬は重症筋無力症の治療薬であり、神経筋接合部でのアセチルコリン分解を阻害して筋力低下を改善します。視神経脊髄炎(NMOSD)は脱髄疾患であり、この薬は効果がありません。正しくは:視神経脊髄炎(NMOSD)の急性期の治療にはステロイドパルス療法や血漿交換療法が、再発予防には免疫抑制薬などが用いられます。選びやすい理由:神経伝達物質に関連する薬であり、神経系の疾患であるため、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:重症筋無力症など、他の神経筋疾患の治療薬と混同する可能性があります。
国試ポイント
視神経脊髄炎(NMOSD)の基本的な病態と特徴的な臨床経過(再発寛解性)を理解しているかを問う問題です。他の疾患の病態や治療法との鑑別知識も同時に試されています。
混同注意
多発性硬化症(MS)との鑑別が重要です。MSも再発寛解型の経過をとることがありますが、視神経脊髄炎はMSと比較して再発時の症状がより重篤であり、後遺症も残しやすい特徴があります。また、アクアポリン4抗体の有無が鑑別点となります。他の自己免疫疾患や神経筋疾患の治療法とも混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、視神経脊髄炎の主要な症状(視神経炎、脊髄炎、後部脳幹症候群など)や、具体的な治療法(急性期治療、再発予防治療)について問われる可能性があります。また、多発性硬化症との鑑別のポイント(特に検査所見)が問われることも考えられます。
関連知識
視神経脊髄炎(NMOSD)は以前は多発性硬化症の一病型とされていましたが、アクアポリン4抗体の発見により独立した疾患概念として確立されました。診断基準、主要症状(視神経炎、脊髄炎、エリア・ポストレーマ症候群など)、急性期治療(ステロイドパルス、血漿交換)、再発予防治療(免疫抑制薬)に関する知識が必要です。