登はん性起立を示すのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Duchenne型筋ジストロフィーは、小児期に発症する進行性の筋力低下を特徴とするX連鎖劣性遺伝疾患です。特に骨盤帯や大腿の近位筋の筋力低下が著しいため、床からの起立時に特徴的なGowers' sign(登はん性起立)が見られます。これは、立ち上がる際に腹臥位から四つん這いになり、両手で自分の膝や大腿を押し上げるようにして体幹を支持しながら起立する動作です。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋強直性ジストロフィーでは、筋強直現象や遠位筋の筋力低下が特徴的であり、登はん性起立は一般的ではありません。正しくは:筋強直性ジストロフィーでは、筋強直現象(随意収縮後の弛緩遅延)が特徴的です。選びやすい理由:ジストロフィーという名称から筋力低下を想起し、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の筋ジストロフィーとの症状の違いを混同しやすいです。
- 2. 肢帯型筋ジストロフィーは、肩甲帯や骨盤帯の筋力低下を特徴としますが、Duchenne型筋ジストロフィーほど顕著な登はん性起立を示すことは少ないです。発症年齢や進行速度もDuchenne型とは異なります。正しくは:肢帯型筋ジストロフィーは、近位筋の筋力低下を主としますが、登はん性起立はDuchenne型ほど特徴的ではありません。選びやすい理由:近位筋の筋力低下があるため、登はん性起立と関連があるように感じるかもしれませんが、疾患のタイプとしてDuchenne型がより典型的です。混同注意:他の筋ジストロフィー、特にDuchenne型と症状の典型性を混同しやすいです。
- 3. 先天型筋ジストロフィーは、出生時または乳幼児期から筋力低下や関節拘縮を認めますが、登はん性起立がその特徴的な徴候として強調されることはDuchenne型ほどではありません。正しくは:先天型筋ジストロフィーでは、出生時または乳幼児期からの筋力低下や関節拘縮が主な特徴です。選びやすい理由:「先天型」という言葉から重度の筋力低下を連想し、登はん性起立の可能性を考えてしまうかもしれません。混同注意:様々なタイプの筋ジストロフィーにおける特異的徴候を混同しやすいです。
- 4. 正解。Duchenne型筋ジストロフィーは、主に男児に発症し、近位筋の著しい筋力低下(特に骨盤帯周囲)が進行するため、床から立ち上がる際に腹臥位から四つん這いになり、手で自分の大腿部を押し上げるようにして起立する動作(Gowers' sign、登はん性起立)が特徴的です。正しくは:この選択肢は正しいです。
- 5. 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーは、顔面筋、肩甲帯周囲筋、上腕二頭筋・三頭筋の筋力低下が特徴的であり、登はん性起立は主要な症状ではありません。正しくは:顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーでは、顔面筋や肩甲帯筋の筋力低下が特徴的です。選びやすい理由:筋ジストロフィーの一種であるため、筋力低下から登はん性起立を連想するかもしれませんが、特定の部位の筋力低下に特徴があります。混同注意:他の筋ジストロフィーと、筋力低下の部位や特徴的な徴候を混同しやすいです。
国試ポイント
筋疾患における特徴的な症状や徴候を正確に理解しているかが問われます。特にDuchenne型筋ジストロフィーにおけるGowers' sign(登はん性起立)は、診断上重要な徴候として頻繁に出題されます。
混同注意
様々な筋疾患や神経筋疾患において筋力低下は共通して見られる症状ですが、それぞれの疾患に特有の身体所見や徴候を混同しないように注意が必要です。特に筋ジストロフィーの種類ごとの特徴を明確に区別することが求められます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、疾患名と特徴的な身体所見(例:Gowers' sign、筋強直現象、翼状肩甲など)を結びつける知識が問われると予想されます。また、それぞれの疾患の病態生理や遺伝形式についても関連付けて学習すると良いでしょう。
関連知識
Gowers' sign(登はん性起立)は、股関節伸展筋や体幹伸展筋の筋力低下が著しい場合に認められる徴候です。Duchenne型筋ジストロフィーの他に、多発性筋炎や他の進行性筋ジストロフィーの一部でも見られることがありますが、Duchenne型が最も典型的な例として挙げられます。