80歳の男性。間質性肺疾患の急性増悪で入院中。酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている。肺炎は認めないが血圧変動が大きい。 理学療法で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
症例は間質性肺疾患の急性増悪で、酸素化が不良なため気管切開下で人工呼吸管理中であり、血圧変動も大きい状態です。全身状態が不安定な時期の理学療法は、負荷が小さく、臥床に伴う関節拘縮や廃用を予防できる関節可動域運動が最も適切です。歩行練習や移乗動作練習は酸素消費や循環への負荷が大きく、現時点では適しません。等尺性運動は昇圧反応を起こしやすく、血圧変動が大きい本症例では避けます。人工呼吸管理中のため、自力の咳嗽練習を進められる状態でもありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 気管切開下で人工呼吸管理中であり、自力の咳嗽練習を進められる状態ではありません。分泌物の管理は吸引などで行います。正しくは:全身状態が不安定な時期は、負荷の少ない関節可動域運動を優先します。選びやすい理由:呼吸器疾患の理学療法として思い浮かびやすい選択肢です。混同注意:呼吸理学療法の一般的な手技と、急性増悪期の対応
- 2. 酸素化が不良で血圧変動も大きく、人工呼吸管理中の現時点では、歩行練習は負荷が大きすぎます。正しくは:病態が安定してから段階的に離床を進めます。選びやすい理由:早期離床が勧められるため、選びやすい選択肢です。混同注意:早期離床の原則と、離床を控える条件
- 3. 移乗動作練習も酸素消費と循環への負荷を伴い、血圧変動が大きい現時点では適しません。正しくは:全身状態が安定してから段階的に進めます。選びやすい理由:早期離床の流れとして選びやすい選択肢です。混同注意:早期離床の原則と、離床を控える条件
- 4. 正解。関節可動域運動は負荷が小さく、人工呼吸管理中でも実施でき、臥床による関節拘縮や廃用の予防に役立ちます。全身状態が不安定な本症例で最も適切です(公式正答)。
- 5. 等尺性運動は血圧を上げやすく(昇圧反応)、血圧変動が大きい本症例では適しません。正しくは:血圧変動が大きいときは、昇圧反応を起こしやすい等尺性運動を避けます。選びやすい理由:ベッド上で行える筋力運動のため、選びやすい選択肢です。混同注意:等尺性運動の昇圧反応
国試ポイント
急性増悪期で人工呼吸管理中・血圧変動が大きい患者に対して、負荷の小さい理学療法を選べるかが問われています。
混同注意
早期離床は原則ですが、酸素化不良や循環動態が不安定なときは、離床を急がず負荷の少ない介入から始めます。
次に同じ論点が出たら
酸素化と循環動態が安定してきたら、座位、移乗、歩行と段階的に離床を進め、各段階でバイタルサインを確認する(問3は採点除外)。
関連知識
離床・運動療法を控える目安:酸素化の悪化、血圧・心拍の大きな変動、不整脈の出現など。等尺性運動は息こらえを伴いやすく、血圧を上げやすい。