研究に関する用語と説明の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
交絡因子は、研究においてある曝露因子(原因候補)とアウトカム(結果)の間に見かけ上の関連を作り出したり、真の関連を隠蔽したりする第三の因子を指します。例えば、コーヒー摂取と肺がんの関係を調べる際に、喫煙が交絡因子となる可能性があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 「母集団」とは、研究によって知りたい情報を持つ全ての対象の集まりを指します。実際にデータを収集する対象は「標本(サンプル)」です。正しくは:母集団:研究対象として関心を持つすべての要素(人、物など)の集合。標本:実際に研究の対象となるもの。選びやすい理由:「研究対象」という言葉から、実際に調査する対象のことだと誤解しやすいです。混同注意:母集団と標本(サンプル)の定義を混同しやすいです。
- 2. 重さ、長さ、時間などの物理量を表す尺度は「比例尺度(比率尺度)」です。順序尺度は、順位や程度に意味がありますが、その間隔に等価性がない尺度を指します。正しくは:順序尺度:順位や程度に意味があるが、間隔が等しいとは限らない尺度(例:評価の段階、順位)。比例尺度:重さ、長さ、時間などの物理量を表す尺度。選びやすい理由:尺度の種類が多いので、それぞれの特徴が曖昧だと誤った選択肢を選んでしまいがちです。混同注意:順序尺度、間隔尺度、比例尺度を混同しやすいです。
- 3. 名義尺度は、分類や区別をするための尺度であり、大小関係や順位には意味がありません(例:性別、血液型)。大小関係や順位を持つ尺度は「順序尺度」です。正しくは:名義尺度:分類や識別のために用いられ、順序や間隔には意味がない尺度。順序尺度:大小関係や程度のような順位を有する尺度。選びやすい理由:尺度の基本的な概念を理解していないと、異なる尺度の説明を誤って認識しやすいです。混同注意:名義尺度と順序尺度を混同しやすいです。
- 4. 正解。交絡因子は、研究において原因と結果の関係を評価する際に、その関係性を誤って解釈させる原因となる第三の因子を指します。例えば、ある薬の効果を検証する際に、患者の年齢や重症度などが交絡因子となることがあります。選びやすい理由:研究における重要な概念であり、その定義を正しく理解しているかどうかが問われます。混同注意:調整因子、媒介因子、修飾因子など、研究デザインにおける他の因子と混同する可能性があります。
- 5. Likert尺度は、特定の意見や態度に対する賛同度を複数の段階(例:強くそう思う~全くそう思わない)で評価する順序尺度または間隔尺度として扱われます。比率尺度ではありません。正しくは:Likert 尺度:階層性を持った質問などに対する回答についての順序尺度(または間隔尺度)。選びやすい理由: Likert 尺度が「段階」を持つことから、間隔尺度や比率尺度と誤解しやすいです。特に、得点化すると比率のように扱える場合もありますが、尺度本来の性質は異なります。混同注意:順序尺度、間隔尺度、比率尺度のいずれに属するかを混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、疫学研究や統計学で用いられる基本的な用語の定義を正確に理解しているかを問うものです。特に、尺度の種類(名義、順序、間隔、比率)や、研究デザインにおける因子の役割(母集団、標本、交絡因子など)は頻出テーマです。
混同注意
母集団と標本、順序尺度と間隔尺度/比率尺度、名義尺度と順序尺度、交絡因子と媒介因子/修飾因子。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、各研究用語の定義を正確に理解しているか、具体的な例を挙げて説明できるか、尺度の種類とその適用場面を適切に判断できるかを確認します。特に、研究の妥当性を評価する上で重要な概念(バイアス、交絡)は重点的に問われる可能性があります。
関連知識
研究デザインの種類(記述研究、分析研究、実験研究)、バイアスの種類(選択バイアス、情報バイアス、交絡バイアス)、各種尺度の特徴と具体的な例、リッカート尺度以外の態度尺度(例:セマンティック・ディファレンシャル尺度)。