排便機構で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
排便反射において、直腸壁が伸展刺激を受けると、その情報は仙髄の排便中枢に伝わります。仙髄からの副交感神経(骨盤神経)の活動が亢進し、これにより直腸筋が収縮し、同時に内肛門括約筋が弛緩することで、便が肛門側へ移動しやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 排便中枢は、主に仙髄(S2~S4)に位置しており、上位中枢(大脳皮質や脳幹)からの支配も受けています。腰髄ではありません。正しくは:排便中枢は仙髄(S2~S4)に位置しています。選びやすい理由:脊髄のどこかに排便中枢があることは事実なので、詳細を覚えていないと間違えやすいです。混同注意:尿意中枢(仙髄)や、消化管の自律神経支配(胸腰髄、仙髄)と混同しやすいです。
- 2. 便意は、直腸に便が到達し、その壁が伸展刺激を受けることで引き起こされます。S状結腸に便があっても通常は便意を感じません。正しくは:便意は直腸に便が到達し、直腸壁が伸展することで自覚します。選びやすい理由:S状結腸が直腸の手前にあるため、勘違いしやすいです。混同注意:消化管の各部位における内容物の貯留と、それによる刺激反応を混同しやすいです。
- 3. 直腸壁からの感覚情報(伸展刺激など)は、主に骨盤神経(副交感神経)を介して仙髄に伝えられます。陰部神経は主に外肛門括約筋などの随意運動や皮膚感覚に関わります。正しくは:直腸壁からの感覚情報は、主に骨盤神経(副交感神経)を経由して伝えられます。選びやすい理由:陰部神経が排便に関与する神経の一つであるため、誤って選択しやすいです。混同注意:排便に関わる複数の神経(骨盤神経、下腹神経、陰部神経)の機能分担を混同しやすいです。
- 4. 正解。骨盤神経は副交感神経であり、その刺激によって直腸の収縮と内肛門括約筋の弛緩が起こり、排便が促進されます。これは排便反射の一部です。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:内肛門括約筋の抑制に関わる神経を知らないと選択しにくいかもしれませんが、知識があれば選びやすいです。混同注意:自律神経(交感神経、副交感神経)と、それらが括約筋に与える影響を混同しやすいです。
- 5. 大腸の内容物を肛門側へ輸送する主な運動は、蠕動運動(特に集団運動)であり、分節運動は内容物を混合・攪拌する役割が主です。分節運動では内容物の移動は少ないか、ほとんどありません。正しくは:大腸の内容物を肛門側へ輸送するのは、主に蠕動運動(特に集団運動)です。選びやすい理由:消化管の運動には蠕動運動と分節運動があるという知識はあっても、それぞれの具体的な役割を正確に覚えていないと間違えやすいです。混同注意:小腸と大腸の運動様式、および蠕動運動と分節運動の役割を混同しやすいです。
国試ポイント
排便機構に関する解剖生理学的知識、特に排便反射に関わる神経(骨盤神経、陰部神経、下腹神経)の機能分担、排便中枢の位置、および消化管の運動様式(蠕動運動と分節運動)の理解が問われています。各選択肢において、関連するキーワードが正しく結びついているか、または誤った情報が含まれていないかを見極める能力が求められます。
混同注意
排便中枢の位置(仙髄 vs 腰髄)、便意を感じる部位(S状結腸 vs 直腸)、直腸からの求心路(骨盤神経 vs 陰部神経)、内肛門括約筋の抑制に関わる神経(骨盤神経 vs 下腹神経)、大腸の輸送運動(蠕動運動 vs 分節運動)など、類似した用語や場所、機能が非常に多く、正確な知識がなければ混同しやすい問題です。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、排便中枢の上位(大脳皮質や脳幹)からの支配や、排便を抑制する交感神経(下腹神経)の具体的な役割、あるいは排便障害のタイプと原因(例:脊髄損傷による神経因性膀胱ならぬ神経因性腸)などが考えられます。
関連知識
排便機構は自律神経系と体性神経系の両方が関与する複雑なプロセスです。具体的には、直腸の伸展が仙髄排便中枢を刺激し、副交感神経(骨盤神経)を介して直腸の収縮と内肛門括約筋の弛緩を促します。一方、体性神経である陰部神経は外肛門括約筋の随意的なコントロールに関与します。また、交感神経(下腹神経)は直腸の弛緩と内肛門括約筋の収縮を促し、排便を抑制する方向に作用します。