脂質の消化吸収について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
胆汁酸は肝臓でコレステロールから生合成される重要な物質です。これは脂質の乳化を助け、リパーゼによる消化を効率化し、その後の吸収に不可欠な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 胆汁は肝臓で生成され、胆嚢はそれを一時的に貯蔵・濃縮する器官です。正しくは:胆汁は肝臓で生成されます。選びやすい理由:胆嚢は胆汁と密接に関連する器官であるため、生成場所と混同しやすいです。混同注意:胆嚢の機能(貯蔵・濃縮)と肝臓の機能(生成)
- 2. 正解。胆汁酸は肝臓においてコレステロールから合成されるステロイド化合物です。これは脂質の消化吸収に不可欠な役割を果たします。
- 3. トリプシンはタンパク質を分解する酵素であり、トリグリセリド(脂質)の分解には関与しません。トリグリセリドの分解は主にリパーゼによって行われます。正しくは:トリプシンはタンパク質の分解を促進します。選びやすい理由:トリプシンが消化酵素であることは正しいですが、その標的が脂質であると誤解しやすいです。混同注意:タンパク質分解酵素(トリプシン)と脂質分解酵素(リパーゼ)の役割
- 4. オッディ括約筋の弛緩により胆汁が放出されるのは、十二指腸(ファーター乳頭部)であり、空腸ではありません。正しくは:オッディ括約筋の弛緩により胆汁は十二指腸へ放出されます。選びやすい理由:消化管の一部であるため、十二指腸と空腸を混同しやすいです。混同注意:胆汁の放出部位(十二指腸)と消化管の次の部分(空腸)
- 5. ミセルから放出された脂質消化物(モノグリセリド、脂肪酸など)の多くは、小腸上皮細胞の膜を単純拡散によって通過します。輸送タンパク質を介するメカニズムも一部存在しますが、単純拡散が主要な経路です。正しくは:ミセル内の脂質消化物は、主に単純拡散によって小腸上皮細胞内へ取り込まれます。選びやすい理由:他の多くの栄養素が輸送タンパク質を介して吸収されるため、脂質も同様であると誤解しやすいです。混同注意:脂質の吸収機序(主に単純拡散)と他の栄養素の吸収機序(輸送体利用)
国試ポイント
脂質の消化吸収プロセス全体に関する知識、特に各器官の機能、主要な消化酵素、および重要な物質(胆汁酸)の生成経路や作用機序を問う問題です。細部の正確な理解が求められます。
混同注意
消化酵素の種類と標的基質、胆汁の生成・貯蔵・放出部位、脂質の吸収メカニズム(拡散と能動輸送)
次に同じ論点が出たら
脂質の吸収だけでなく、タンパク質や炭水化物の消化吸収プロセス、それぞれのキーとなる酵素や物質、吸収経路(門脈系かリンパ系か)についても正確に理解しているかを確認します。
関連知識
脂質の消化吸収経路全体(口腔〜小腸)、胆汁の成分と機能、リパーゼの種類と作用、ミセルの形成と役割、カイロミクロンの形成と輸送経路(リンパ系)、各消化器官の解剖学的知識。