Guillain-Barré症候群の診断で有用なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ギラン・バレー症候群の診断において、髄液検査で認められる「蛋白細胞解離」は非常に特徴的な所見です。これは髄液中の細胞数は正常範囲内であるにもかかわらず、タンパク質濃度が著しく上昇する現象を指し、診断基準の一つとなっています。通常、発症から1週間程度経過後に陽性となることが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. CT検査は主に脳出血や脳梗塞といった中枢神経系の構造的な異常を評価するために用いられ、末梢神経疾患であるギラン・バレー症候群の診断には直接的な有用性はありません。正しくは:ギラン・バレー症候群の診断においてCT検査はルーチンで用いられず、特に有用ではありません。選びやすい理由:神経疾患の画像診断として広く一般的に知られているため、関連があるように感じられるかもしれません。混同注意:中枢神経系の疾患(脳卒中、脳腫瘍など)の診断における画像診断と混同しやすいです。
- 2. MRI検査はCTより詳細な画像情報を提供しますが、ギラン・バレー症候群の診断に必須ではありません。一部の症例で脊髄神経根の造影効果がみられることがありますが、これは鑑別診断(脊髄炎などの除外)や特定の病変評価のために行われることが多く、診断の決め手とはなりません。正しくは:GBSの診断にMRI検査は必須ではありません。鑑別診断や特定の神経根病変の評価に用いられることがあります。選びやすい理由:神経系の画像診断として詳細な情報が得られるため、診断に有用であると誤解しやすいです。混同注意:多発性硬化症や脊髄炎など、他の神経疾患の診断における画像診断と混同しやすいです。
- 3. 正解。ギラン・バレー症候群では、発症からおよそ1週間以降に髄液検査で特徴的な「蛋白細胞解離」がみられます。これは、細胞数は正常範囲内であるにもかかわらず、髄液中のタンパク質が著しく増加する所見であり、診断において非常に重要な情報となります。
- 4. 脳波検査は、脳の電気活動を記録し、てんかんや意識障害など、中枢神経系の機能異常を評価するために用いられます。ギラン・バレー症候群は末梢神経の疾患であるため、脳波検査は診断に直接は役立ちません。正しくは:ギラン・バレー症候群は末梢神経疾患であるため、脳波検査は診断に有用ではありません。選びやすい理由:神経系の検査という点で、関連性があるように感じられるかもしれません。混同注意:てんかん、脳炎、意識障害といった中枢神経系疾患の診断における検査と混同しやすいです。
- 5. 血液培養検査は、血液中の細菌や真菌を特定し、敗血症などの感染症の診断に用いられます。ギラン・バレー症候群は自己免疫性の末梢神経疾患であり、診断に直接関わる検査ではありません。先行感染(例:カンピロバクター)が引き金となることはありますが、その診断には別の検査が必要です。正しくは:血液培養検査はギラン・バレー症候群の診断に直接は関連しません。主に全身性の細菌感染症の診断に用いられます。選びやすい理由:ギラン・バレー症候群は先行感染後に発症することが多いため、「感染症を調べる」という連想から選択肢として魅力的に映るかもしれません。しかし、血液培養はGBSの先行感染を直接診断するものではありません。混同注意:敗血症など全身性の感染症の診断、またはGBSの引き金となる特定の病原体(例:カンピロバクター)に対する便培養や血清抗体検査と混同しやすいです。
国試ポイント
ギラン・バレー症候群の診断に用いられる主要な検査と、その疾患に特徴的な所見を正確に理解しているかが問われています。特に、中枢神経系疾患と末梢神経系疾患で有用な検査の違いを把握しておくことが重要です。
混同注意
ギラン・バレー症候群と他の神経疾患(例:急性散在性脳脊髄炎 ADEM、多発性硬化症、脊髄炎など)の診断検査が混同されやすいです。特に、画像診断(CT/MRI)と髄液検査、電気生理学的検査(神経伝導検査/筋電図)の使い分けに関する知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
次にギラン・バレー症候群に関する問題が出題された場合、診断における電気生理学的検査(神経伝導検査、F波、H反射など)の所見、疾患の亜型(例:フィッシャー症候群)、主な合併症(特に呼吸不全)、治療法の具体的な内容、または鑑別すべき疾患の具体的な検査所見について問われる可能性があります。
関連知識
ギラン・バレー症候群の診断基準(Hughesの基準など)、病態生理(自己免疫性末梢神経障害)、主要な臨床症状(上行性麻痺、腱反射消失、感覚障害、自律神経症状)、電気生理学的検査所見(神経伝導速度の低下、F波の延長・消失)、治療法(免疫グロブリン静注療法、血漿交換療法)についても理解しておく必要があります。