心電図(別冊No. 1)を別に示す。心房粗動はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
心房粗動の典型的な心電図所見は、基線に規則的なノコギリの歯状波(F波)が出現し、P波は認められません。QRS波はF波とは異なるレートで出現し、RR間隔は一定であるか、または心室伝導比によって不規則となることがあります。提示された図の中で、この特徴に合致するのは①です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。心房粗動の典型的な心電図所見は、P波がノコギリの歯状(F波)に現れ、RR間隔が一定であるか、または心室応答に応じて不規則になる特徴があります。図①は、P波が規則的なノコギリ歯状の波形(F波)を呈し、QRS波が散発的に出現しているため、心房粗動の所見と一致します。
- 2. 図②は、P波が消失し、基線が不規則な細動波(f波)を示し、QRS波が不規則に出現しているため、心房細動の所見です。正しくは:心房細動の所見であり、心房粗動とは異なります。選びやすい理由:心房粗動と心房細動はどちらも心房性不整脈であり、波形が類似しているため混同しやすいですが、P波の規則性(粗動)か不規則性(細動)が大きな違いです。混同注意:心房粗動と心房細動
- 3. 図③は、P波が正常で、PR間隔が延長しているため、第一度房室ブロックの所見です。正しくは:第一度房室ブロックの所見であり、心房粗動とは異なります。選びやすい理由:様々な不整脈の波形知識が曖昧だと、見分けがつきにくい可能性があります。混同注意:他の房室ブロックや、正常心電図との区別
- 4. 図④は、P波の後にQRS波が脱落しているため、第二度房室ブロック(Wenckebach型またはMobitz II型)の所見です。P波は正常洞調律を示しています。正しくは:第二度房室ブロックの所見であり、心房粗動とは異なります。選びやすい理由:心房粗動以外の不整脈についても、知識の定着度合いが問われます。混同注意:様々なタイプの房室ブロック
- 5. 図⑤は、P波が正常で、QRS波の後にT波が続く、正常洞調律の心電図です。正しくは:正常洞調律の所見であり、心房粗動とは異なります。選びやすい理由:心電図判読に不慣れな場合、正常波形の特徴を正確に把握できていないと、他の不整脈と見誤ることがあります。混同注意:頻脈性不整脈
国試ポイント
心電図の基本的な判読能力、特に頻発する不整脈(心房粗動、心房細動、房室ブロックなど)の典型的な波形を識別できるかが問われます。各波形の特徴を視覚的に正確に把握している必要があります。
混同注意
心房粗動と心房細動はどちらも心房性の不整脈であり、基線に異常な波形が出現するため混同されやすいです。心房粗動は規則的なF波(ノコギリ歯状)、心房細動は不規則なf波(細動波)が特徴であり、この違いを明確に理解しておくことが重要です。また、房室ブロックの各タイプも鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、まず心電図全体を見て、P波の有無・形状・規則性、QRS波の幅・形状・規則性、RR間隔の規則性を確認します。特に基線の細かな波形(F波やf波)に注目し、それが規則的か不規則か、P波とQRS波の関係性(房室伝導)を評価することで、正確な診断に繋がります。
関連知識
心房粗動の発生機序(リエントリー)、治療法(抗不整脈薬、アブレーション、電気的除細動)、合併症(血栓塞栓症、心不全)についても理解しておくべきです。心電図各波形(P, QRS, T)と各間隔(PR, QT)の意義、心拍数の計算方法、軸偏位なども関連知識として重要です。