ACTで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
ACT(包括型地域生活支援プログラム)は、重度の精神疾患を持つ方が地域で安定して生活できるよう、多職種チームによる24時間365日の包括的かつ集中的な支援を提供するプログラムです。そのため、選択肢3のように多職種チームが協働してケアマネジメントを行うこと、そして選択肢4のように短時間でも頻繁に利用者の生活の場へ訪問し、継続的な支援を行うことがその特徴として挙げられます。
選択肢ごとの解説
- 1. ACTは、利用者の生活全般を支えるため、24時間365日体制でサービスを提供し、時間帯を限定しません。これは危機介入など、緊急時にも対応できる体制を意味します。正しくは:支援は24時間365日体制で提供されます。選びやすい理由:一般的な訪問看護やデイケアなどのサービスが日中中心であるため、これらと混同して選びやすいかもしれません。混同注意:精神科訪問看護、デイケア、外来診療など、時間帯が限定されている他の精神科医療・福祉サービス。
- 2. ACTは、重度の精神疾患(統合失調症など)を抱え、頻繁な入院を繰り返すなど、地域での生活に大きな困難を抱えている方を主な対象としています。症状が軽度で比較的安定している方は対象ではありません。正しくは:対象となるのは、重度の精神疾患を抱え、地域生活に困難を伴う方々です。選びやすい理由:「地域生活支援」という言葉から、ある程度の自立が可能な軽度な方が対象と思われがちです。混同注意:精神科デイケアやグループホームなど、比較的安定した状態の患者も利用するサービス。
- 3. 正解。ACTの主要な特徴であり、精神科医、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、心理士などの多職種専門家が連携し、利用者一人ひとりのニーズに応じた包括的な支援計画の立案から実行までを一貫して行います。
- 4. 正解。ACTは、利用者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう、自宅や職場など、利用者の生活の場に積極的に出向いて支援を行います。継続的で集中的な訪問は、症状の安定や生活スキルの向上に不可欠です。
- 5. ACTでは集中的で手厚い支援を提供するため、スタッフ1人あたりのクライアント数は10人程度に抑えることが推奨されています。25人では個別対応が難しくなります。正しくは:推奨されるスタッフ1人あたりのクライアント数は約10人程度です。選びやすい理由:病院の病棟や一般的な訪問サービスと比較すると少ない人数であるため、正しいと錯覚しやすいかもしれません。混同注意:一般的な病院や施設のスタッフ対患者比率。ACTの手厚い支援体制の基準。
国試ポイント
ACTの基本的な定義、対象となる患者、提供される支援内容、チーム体制、支援の頻度や場所など、包括的な理解が問われます。特に、他の地域精神保健サービス(精神科訪問看護、デイケアなど)との違いを明確に区別できるかが重要です。
混同注意
精神科訪問看護、デイケア、デイナイトケア、重度訪問介護、居宅介護支援、アウトリーチ支援など、他の地域精神保健サービス。
次に同じ論点が出たら
今後出題される場合は、ACTの具体的な支援内容(例:就労支援の有無、危機介入の体制)、ACTの導入によって期待される効果(例:再入院率の低下、QOLの向上)、あるいは日本におけるACTの普及状況や課題などが問われる可能性があります。
関連知識
ACTは脱施設化の流れの中で発展したプログラムであり、リカバリー志向の支援を重視します。また、就労支援(IPSなど)や服薬管理、症状マネジメント、日常生活技能訓練、危機介入など、様々な側面からの支援を含みます。