経口感染するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ノロウイルスは、主に感染者の糞便や嘔吐物に含まれるウイルスが、直接または間接的に口に入ることで感染します。また、ウイルスに汚染された二枚貝などの食品を加熱不十分な状態で摂取することでも感染するため、典型的な経口感染症の病原体です。
選択肢ごとの解説
- 1. 結核菌の主な感染経路は、飛沫核感染(空気感染)です。患者が咳やくしゃみをした際に排出される飛沫核を吸入することで感染します。正しくは:結核菌は空気感染(飛沫核感染)によって伝播します。選びやすい理由:感染症全般の知識として選択肢に挙げられるが、具体的な感染経路の理解が不十分だと誤答しやすい。混同注意:接触感染や飛沫感染と混同しやすいが、空気中で長時間浮遊する飛沫核による感染が特徴です。
- 2. 破傷風菌は土壌中に広く存在し、傷口から体内に侵入することで感染します(創傷感染)。経口感染はしません。正しくは:破傷風菌は創傷感染(土壌中の菌が傷口から侵入)によって伝播します。選びやすい理由:感染症の知識としては一般的だが、感染経路が特殊であるため、経口感染と誤解する可能性がある。混同注意:他の一般的な感染経路(飛沫、接触、経口)と区別できず、土壌や環境中の菌という点で経口摂取と結びつける人もいるかもしれないが誤りです。
- 3. 正解。ノロウイルスは、汚染された食品や水を摂取すること、または感染者の便や嘔吐物から直接・間接的にウイルスが口に入ること(経口感染)によって主に伝播します。選びやすい理由:よく知られた食中毒の原因ウイルスであり、経口感染の代表例として判断しやすい。混同注意:似た症状を引き起こす他のウイルス性胃腸炎の原因ウイルス(ロタウイルスなど)も経口感染であり、これらとまとめて経口感染を想起しやすい。
- 4. コロナウイルス(特にSARS-CoV-2など)の主な感染経路は、飛沫感染や接触感染、エアロゾル感染(空気感染)です。経口感染は一般的ではありません。正しくは:コロナウイルスは主に飛沫感染、接触感染、エアロゾル感染によって伝播します。選びやすい理由:近年のパンデミックで身近なウイルスであり、感染経路への関心が高いが、経口感染と誤解する可能性がある。混同注意:呼吸器系感染症と、胃腸炎を引き起こすウイルス(ノロウイルスなど)の感染経路を混同しやすい。コロナウイルスも一部で消化器症状を引き起こすが、感染経路は経口が主ではない。
- 5. B型肝炎ウイルスは、血液や体液(精液、膣分泌液など)を介して感染します。主な経路は性交渉、血液製剤、針刺し事故、母子感染などであり、経口感染は極めて稀か、ほとんどありません。正しくは:B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して伝播します。選びやすい理由:肝炎ウイルスは種類が多く、A型肝炎ウイルスは経口感染であるため、B型も経口感染と誤解する可能性がある。混同注意:A型肝炎ウイルス(HAV)が経口感染であるため、B型肝炎ウイルス(HBV)も同様に経口感染であると誤って判断しやすい。
国試ポイント
本問題は、主要な感染症の病原体とその感染経路に関する基本的な知識を問うものです。特に、経口感染、飛沫感染、空気感染、接触感染、血液・体液感染といった主要な感染経路と、それぞれに該当する代表的な病原体を正確に区別できるかがポイントとなります。
混同注意
特にウイルス性肝炎において、A型肝炎ウイルス(経口感染)とB型肝炎ウイルス(血液・体液感染)を混同しやすい。また、インフルエンザウイルスやコロナウイルスなどの呼吸器系ウイルスと、ノロウイルスなどの消化器系ウイルスで、感染経路が異なることを理解していないと間違えやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が問われた際には、「空気感染するのはどれか」「接触感染するのはどれか」など、感染経路を特定する形式で出題される可能性が高いです。また、病原体の種類を提示し、「最も適切な感染対策はどれか」といった実践的な知識を問う形式も考えられます。
関連知識
感染経路の分類(飛沫感染、空気感染、接触感染、経口感染、ベクター感染、血液・体液感染、垂直感染など)、それぞれの感染経路で伝播する代表的な病原体とその特徴、感染対策の基本(標準予防策、経路別予防策)。