骨折により骨壊死を起こしやすいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
距骨は、その大部分が関節軟骨で覆われており、主要な栄養血管が限られた部位から進入します。特に距骨頸部や体部の骨折では、これらの血管が損傷されやすく、結果として血流が途絶え、虚血性壊死(無血管性壊死)に至るリスクが非常に高いことで知られています。これは、大腿骨頭や舟状骨などと同様に、一部の骨が持つ特異的な血管分布によるものです。他の選択肢の足根骨は、距骨ほど虚血性壊死のリスクは高くありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。距骨は栄養血管の供給が限られており、特に距骨頸部骨折や距骨体部骨折では、骨折によって栄養血管が損傷されやすく、血流が途絶えることで虚血性壊死(無血管性壊死)を起こしやすい骨です。選びやすい理由:足根骨の他の骨も骨折するリスクはありますが、距骨の解剖学的・血管的特徴が特異的です。混同注意:足部の他の小さな骨と混同しやすいですが、栄養血管の特徴が異なります。
- 2. 踵骨は比較的血流が豊富で、骨折後に虚血性壊死を起こすリスクは距骨に比べて低いとされています。粉砕骨折など重度の損傷でも壊死はまれです。正しくは:踵骨は血流が豊富で、骨折後に壊死を起こしにくい。選びやすい理由:踵骨骨折は頻度が高いため、重篤な合併症をイメージしがちですが、壊死は主ではありません。混同注意:他の足根骨や、骨折による別の合併症(例:扁平足変形、関節炎)と混同しやすい。
- 3. 中間楔状骨を含む楔状骨は、足根骨の中でも比較的血流が保たれやすい構造をしており、骨折後に虚血性壊死を起こすことは稀です。正しくは:中間楔状骨は骨折後に壊死を起こしにくい。選びやすい理由:足部の細かい骨なので、栄養が届きにくいと誤解する可能性があります。混同注意:他の足根骨、特に距骨のような特殊な血管分布を持つ骨と混同しやすい。
- 4. 内側楔状骨も中間楔状骨と同様に、血流供給が比較的安定しており、骨折後に虚血性壊死を発症するリスクは低いとされています。正しくは:内側楔状骨は骨折後に壊死を起こしにくい。選びやすい理由:足部の細かい骨なので、栄養が届きにくいと誤解する可能性があります。混同注意:他の足根骨、特に距骨のような特殊な血管分布を持つ骨と混同しやすい。
- 5. 立方骨は足根骨の一つであり、骨折の頻度は低いですが、骨折が生じても距骨のように特異的に虚血性壊死を高頻度で起こすことはありません。正しくは:立方骨は骨折後に壊死を起こしにくい。選びやすい理由:足部の骨折全般に壊死のリスクがあると考える可能性はあります。混同注意:他の足根骨、特に距骨のような特殊な血管分布を持つ骨と混同しやすい。
国試ポイント
特定の骨が持つ解剖学的・血管供給の特性によって、骨折後の合併症(特に虚血性壊死)のリスクが高まることを理解しているか。距骨、大腿骨頭、舟状骨などがこの論点で頻出します。
混同注意
足部にある他の小さな骨(足根骨や中足骨)と、距骨の特殊な血管分布を混同しやすい。また、骨折による別の合併症(偽関節、変形、感染など)と虚血性壊死を混同する可能性もあります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、距骨だけでなく、大腿骨頭や手舟状骨、月状骨など、虚血性壊死を起こしやすい他の部位も選択肢に含まれるかを確認し、それぞれの血管解剖を正確に把握しているかを問われる可能性があります。
関連知識
虚血性壊死を起こしやすい他の骨として、大腿骨頭(大腿骨頸部骨折後)、舟状骨(手舟状骨骨折後)、月状骨(キーンベック病など)などが挙げられる。これらも同様に、限られた栄養血管によって血液供給が行われている特徴を持ちます。