筋力増強運動について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
等尺性筋収縮では、筋肉が力を発揮しながらも長さが変わらないため、呼吸を止めてしまう(バルサルバ効果)ことが頻繁に起こります。これにより胸腔内圧が急激に上昇し、心臓への負担が増大し、血圧が著しく上昇するリスクがあるため、患者指導時には特に注意を促す必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 等尺性収縮における推奨される保持時間は、一般的に5〜10秒程度です。20〜30秒は長すぎ、筋疲労や血圧上昇のリスクが高まります。正しくは:等尺性筋力増強運動では、1回の収縮時間を5〜10秒程度にするのが一般的です。選びやすい理由:長時間収縮すれば効果が高いと感じるかもしれませんが、適切な時間と回数を守ることが重要です。混同注意:他の種類の運動や負荷設定と混同している可能性があります。
- 2. 筋力維持に必要な負荷は、最大筋力の30〜60%程度で十分とされています。70〜80%以上は筋力増強を目指す場合に用いられる強度です。正しくは:筋力維持には、最大筋力の30〜60%程度の抵抗負荷が適切です。選びやすい理由:高い負荷の方が効果があると思われがちですが、目的によって適切な負荷強度は異なります。混同注意:筋力増強を目的とした運動の負荷設定と混同している可能性があります。
- 3. 代償運動は、本来鍛えたい筋肉に適切な負荷がかからず、トレーニング効果を低下させるだけでなく、他の部位に負担をかけたり、誤った運動パターンを学習させたりする原因となります。代償運動は避けるべきです。正しくは:訓練目標以外の筋肉による代償運動は、効果的なトレーニングを妨げるため避けるべきです。選びやすい理由:ある程度の代償はやむを得ない、効果が出ているなら良いと誤解するかもしれません。混同注意:補助筋の活用と代償運動の違いを混同している可能性があります。補助筋は動きを助けるものですが、代償は主動筋の機能不全を補う不適切な動きを指します。
- 4. 等速性筋力増強運動では、設定された速度で関節運動を行い、その速度に対して抵抗が変化する特殊な等速性運動機器(例:バイオデックス)を使用します。重錘ベルトは等張性運動などで用いられることが多いです。正しくは:等速性筋力増強運動には、等速性運動機器が使用されます。選びやすい理由:一般的な筋力トレーニング器具として重錘ベルトを連想しやすいため。混同注意:等張性運動や等尺性運動で使用する器具と混同している可能性があります。
- 5. 正解。等尺性筋収縮は、筋肉が収縮しても関節運動を伴わないため、呼吸が止まりやすく(バルサルバ効果)、その結果、胸腔内圧が上昇し、血圧が著しく上昇するリスクがあります。特に心血管疾患を持つ患者では注意が必要です。
国試ポイント
筋力増強運動の種類ごとの特性、適切な負荷設定、安全管理に関する知識が問われています。特に、等尺性運動における血圧上昇のリスクは重要なポイントとして繰り返し出題されます。
混同注意
等張性運動、等速性運動との違い、それぞれの運動様式における負荷設定、安全上の注意点。
次に同じ論点が出たら
筋力増強運動に関する問題が出たら、各運動様式(等張性、等尺性、等速性)の定義、特徴、利点・欠点、適用対象、具体的な実施方法、注意すべき合併症やリスクについて再確認しましょう。
関連知識
筋収縮の種類(等尺性、等張性、等速性)、バルサルバ効果、運動中の血圧変動、筋力トレーニングの原則(過負荷の原則、特異性の原則など)、運動処方。