要介護認定の審査で、要支援2と要介護1の違いを判定する要素はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
要支援と要介護の最大の違いは、対象者の状態が今後どのように変化するかという「不安定性」にあります。要支援は状態が比較的安定しているか、改善が見込める段階であり、予防的支援によって状態維持・改善が期待されます。一方、要介護は状態が不安定で、進行性の疾患や重度の障害により、継続的な介助や専門的ケアが必要とされる状況です。この状態の不安定性が、将来的なリスクや必要な介護量の変化を予測し、要支援と要介護を区分する重要な要素となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 歩行速度は身体能力の一側面であり、要介護認定の評価項目の一つではありますが、要支援と要介護を決定的に分ける核心的な要素ではありません。より包括的な自立度の評価が重要です。正しくは:歩行速度だけでなく、移動能力全体の自立度や支援の必要性の程度が評価されます。選びやすい理由:身体機能の低下は要介護状態と直結するため、選択肢として魅力的です。混同注意:ADL(日常生活動作)の具体的な項目と、要介護度の根拠となる状態の不安定性や将来のリスク。
- 2. 対象者の意欲はリハビリテーションの効果や活動参加に影響を与える重要な要素ですが、要介護認定の客観的な判断基準ではありません。意欲があるからといって要介護度が低くなるわけではありません。正しくは:意欲は個別の支援計画には考慮されますが、要介護認定の直接的な判断要素ではありません。選びやすい理由:意欲が低下すると活動性が低下し、介助が必要になるという連想から選びやすいかもしれません。混同注意:QOL(生活の質)やリハビリテーションにおける本人の主体性と、介護保険の要介護認定基準。
- 3. 正解。要支援は状態が比較的安定しており、改善の見込みがある、あるいは悪化予防のために支援が必要な状態を指します。一方、要介護は状態が不安定で、常に介助が必要な場合や、将来的に悪化するリスクが高い場合など、より専門的かつ継続的な介護が必要な状態を指します。この「状態の不安定性」が、今後の状態変化のリスクや必要な介護量を見極める上で重要な判断基準となります。選びやすい理由:直接的な介護量というよりは、将来的なリスクや変化の可能性に焦点を当てている点が難しいかもしれません。混同注意:現在の介護量と、将来的な状態の変化の見込み。
- 4. 家族の介護負担感は介護サービスの導入を検討する上で非常に重要な要素ですが、要介護認定の客観的な審査基準ではありません。あくまで対象者本人の心身の状態に基づいて認定されます。正しくは:家族の負担は介護サービスの種類や提供方法に影響しますが、要介護度の決定には直接関係しません。選びやすい理由:介護保険制度が家族の介護負担軽減を目的の一つとしているため、選びやすいです。混同注意:介護保険制度の目的と、要介護認定の具体的な審査基準。
- 5. 要介護認定等基準時間は、要介護状態区分(要支援・要介護)を判定するための指標です。選びやすい理由:要介護認定において時間が基準となることを知っている学生は、具体的な数字に飛びつきやすいです。また、要支援の基準時間(25分未満)に近い数値であるため、混同しやすいでしょう。混同注意:要介護認定等基準時間(指標)と、その具体的なしきい値(数値)。
国試ポイント
介護保険制度における要介護認定の基準、特に要支援と要介護の区別の核心となる概念を理解しているかが問われています。単に介護量だけでなく、状態の安定性や将来のリスク予測といった、より深い理解が求められます。
混同注意
身体能力の具体的な低下と、状態の不安定性・将来的なリスクの評価。また、客観的な認定基準と、制度の目的や家族の主観的な状況。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、要支援と要介護の違いだけでなく、各要介護度(要介護1~5)の具体的な状態像や、認定基準時間との関連性、申請から認定までのプロセスについて問われる可能性があります。
関連知識
要介護認定等基準時間(要支援1: 25分未満、要支援2: 25分以上32分未満、要介護1: 32分以上50分未満など)、介護保険審査会の役割、主治医意見書や認定調査票の重要性。