図に示すストレッチングで伸張される筋はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下図のストレッチングは、股関節が伸展位で、膝関節が深く屈曲している体位です。大腿直筋は股関節屈曲と膝関節伸展の二関節筋であるため、この肢位では両関節においてその拮抗方向への最大伸張位となり、最も効果的にストレッチされます。他の選択肢の筋肉は、この肢位では伸張されないか、むしろ短縮位にあるため不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. このストレッチングは股関節伸展位で膝関節を屈曲させているため、大殿筋はあまり伸張されません。大殿筋は股関節伸展の主要な筋であり、そのストレッチングは通常、股関節を屈曲させることで行われます。正しくは:大殿筋をストレッチする場合、股関節を屈曲位に持っていく必要があります。選びやすい理由:股関節周辺の筋肉であるため、関連する筋肉と誤解しやすいかもしれません。混同注意:ハムストリングスや他の股関節伸展筋群と混同しやすい。
- 2. 正解。下図のストレッチングは、股関節を伸展位に保ちながら膝関節を深く屈曲させる体位です。この肢位は、大腿直筋が二関節筋(股関節屈曲と膝関節伸展)であるため、最も効果的に伸張されます。選びやすい理由:二関節筋の特性を理解していれば正答できます。混同注意:ハムストリングスや他の大腿四頭筋の筋群と混同しやすい。
- 3. 大腿二頭筋長頭はハムストリングスの一部であり、股関節伸展と膝関節屈曲の作用を持ちます。このストレッチングでは膝関節が屈曲されているため、大腿二頭筋長頭は短縮位にあり、伸張されません。むしろ、大腿二頭筋長頭をストレッチするには、股関節屈曲位で膝関節を伸展させる必要があります。正しくは:大腿二頭筋長頭をストレッチする場合、股関節を屈曲させ、膝関節を伸展させる必要があります。選びやすい理由:大腿部の筋肉であるため、大腿直筋と混同しやすいですが、作用が逆です。混同注意:大腿直筋と、二関節筋としての機能が逆方向であるにもかかわらず、名前の類似性から混同しやすい。
- 4. 膝窩筋は膝関節の後面に位置し、膝関節の屈曲および下腿の内旋に関与します。図のストレッチングは膝関節を深く屈曲させるため、膝窩筋はむしろ短縮位にあります。この筋は主に膝の安定性や屈曲初期の内旋に関わります。正しくは:膝窩筋を直接伸張する特定のストレッチングは一般的ではありませんが、膝関節の過伸展を避けることなどが重要です。選びやすい理由:膝関節周囲の筋肉であるため、関連する筋肉と誤解しやすいかもしれません。混同注意:膝裏にある他の筋肉(半膜様筋、半腱様筋など)と混同しやすい。
- 5. 腓腹筋は足関節の底屈と膝関節の屈曲に関わる二関節筋です。このストレッチングでは膝関節が深く屈曲しているため、腓腹筋は緩んだ状態にあり、効果的に伸張されません。腓腹筋を伸張するには、膝関節を伸展位に保ちながら足関節を背屈させる必要があります。正しくは:腓腹筋をストレッチする場合、膝関節を伸展させ、足関節を背屈させる必要があります。選びやすい理由:下肢の大きな筋肉であるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:ヒラメ筋(膝関節の関与なし)やハムストリングスと混同しやすい。
国試ポイント
下肢の主要な二関節筋の作用と、そのストレッチングの基本原理を理解しているかが問われる問題です。特に、大腿直筋(股関節屈曲・膝関節伸展)とハムストリングス(股関節伸展・膝関節屈曲)、腓腹筋(膝関節屈曲・足関節底屈)といった二関節筋の特性を正確に把握していることが重要です。
混同注意
大腿直筋と大腿二頭筋長頭の作用(特に二関節筋としての機能)を混同しやすい。また、腓腹筋のストレッチング方法とも混同しやすい。各筋の解剖学的走行と作用を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず図の体位がどの関節にどのような動きをもたらしているかを正確に把握します。次に、選択肢の各筋がその関節の動きに対してどのような作用を持つ二関節筋であるか、または単関節筋であるかを検討し、最も効果的に伸張される筋を特定します。特に二関節筋のストレッチングは、両関節の動きを考慮に入れる必要があります。
関連知識
二関節筋(大腿直筋、ハムストリングス、腓腹筋など)の機能とストレッチングの原則。単関節筋(大殿筋、膝窩筋、大腿四頭筋の他の筋など)の機能。筋の作用と拮抗筋の関係。ストレッチングの目的と種類(静的ストレッチ、動的ストレッチなど)。