骨盤帯付長下肢装具の適合判定で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
長下肢装具の膝継手軸は、矢状面で膝の前後径の1/2の点と後方1/3の点の中間点を通るように設定します(公式正答4)。膝継手軸を解剖学的な膝の運動軸に近づけることで、装具と下肢のずれを少なくします。
選択肢ごとの解説
- 1. 骨盤帯は、座位時に上方へずり上がらないように、腸骨稜と上前腸骨棘が完全に覆われる位置に装着するのが適切です。中間部では不十分であり、骨盤の固定性が損なわれます。正しくは:骨盤帯は、腸骨稜から上前腸骨棘を完全に覆う位置に装着する。選びやすい理由:なんとなく「中間」という表現が適切に聞こえるかもしれませんが、装具の機能から考えると、より広範囲に確実に固定する必要があります。混同注意:単なる固定ではなく、上方へのずれを防止する機能が重要である点を見落としやすいです。
- 2. 下半月(カフ)の上縁は、腓骨頭の約2cm下(腓骨頭下縁の直下)にくるのが適切です。腓骨頭を圧迫すると、総腓骨神経麻痺のリスクがあるため、回避する必要があります。記述では「下縁」となっていますが、仮に「上縁」としても直下ではなく約2cm下の位置です。正しくは:下半月の上縁は、腓骨頭下縁の約2cm下(または腓骨頭を避けた位置)に位置する。選びやすい理由:腓骨頭のすぐ下、というイメージは正しいものの、神経麻痺のリスクを考慮した具体的な距離や「上縁」「下縁」の区別があいまいだと誤りやすいです。混同注意:総腓骨神経麻痺のリスクをどこまで考慮するか、具体的な距離感を正確に理解していないと間違えやすいです。
- 3. 股関節継手の軸は、小転子を通るのが適切です。これにより、股関節の自然な動きを妨げず、装具との不適合を防ぐことができます。上方を通ると、装具と身体の動きがずれてしまいます。正しくは:股関節継手の軸は、前額面で小転子を通る。選びやすい理由:なんとなく「少し上」という調整が正しいように感じるかもしれませんが、装具の軸と関節の軸を一致させるのが基本です。混同注意:装具の適合において、関節軸と装具軸の一致が非常に重要であるという基本原則を忘れていると間違えやすいです。
- 4. 正解。膝継手軸は、矢状面で膝の前後径の1/2の点と後方1/3の点の中間点を通るように設定します。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:具体的な数値が出てくるため、正確な知識がないと自信が持てないかもしれません。混同注意:膝関節の複雑な運動軸と装具の単軸との関係を正確に理解していないと、他の選択肢も正しく見えてしまうことがあります。
- 5. 足関節継手の軸は、足関節の回旋中心である内果尖と外果尖を結ぶ線上に設定するのが適切です。内果の中央ではなく、内果尖を基準とします。また、回旋軸は外果尖も考慮する必要があります。正しくは:足関節継手の軸は、前額面で内果尖と外果尖を結ぶ線上を通る(または内果尖を通る)。選びやすい理由:「内果」というキーワードは正しいですが、その具体的な位置(中央か尖端か)の正確性が問われています。なんとなく正しく聞こえるかもしれません。混同注意:足関節の解剖学的な特徴、特に内果と外果の位置関係と、それらが形成する回旋軸を正確に理解していないと間違えやすいです。
国試ポイント
長下肢装具、特に骨盤帯付き長下肢装具(HKAFO)の各部分の適合基準に関する正確な知識が問われています。関節継手の軸位置、骨盤帯やカフの装着位置など、実践的な知識が不可欠です。
混同注意
各関節の継手軸の基準点や、骨盤帯、カフなどの各パーツの適切な装着位置に関する知識が混同しやすいです。特に、数値や具体的な解剖学的ランドマークを伴う記述は、少しの認識違いで誤りにつながります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各関節(股関節、膝関節、足関節)の継手軸が、身体のどの解剖学的ランドマークと、どの面(矢状面、前額面)で一致するべきか、また支持部(骨盤帯、カフ)が神経麻痺などのリスクを考慮してどの位置にくるべきかを正確に確認します。
関連知識
長下肢装具の各構成要素の名称と機能、装具療法における基本的な適合原則(関節軸と装具軸の一致、神経血管への圧迫回避、支持性の確保)、一般的な義肢装具の装着手順と注意事項。