高齢者の転倒で生じやすいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
高齢者はバランス機能の低下や骨粗鬆症を伴うことが多く、転倒時に体を支えようとして手をつくことが一般的です。この際に、手首に強い衝撃が加わり、橈骨の遠位端骨折(代表的にはColles骨折)を非常に高頻度で発生します。これは高齢者の転倒による骨折として最も典型的なものの一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 距骨骨折は、高所からの落下や交通事故など、強い衝撃が足部に加わった場合に発生しやすい骨折です。高齢者の転倒による頻度は比較的低いです。正しくは:高齢者の転倒では発生しにくい。選びやすい理由:足部への衝撃と関連付けやすいが、転倒の典型的な態様とは異なる。混同注意:他の足部骨折と混同しやすいが、発生メカニズムが異なる。
- 2. 脛骨骨折は、スポーツ外傷や交通事故など、捻転や直達外力によって生じることが多いです。高齢者の転倒では、高エネルギー外傷が少ないため、大腿骨や上肢の骨折と比較すると頻度は低いです。正しくは:高齢者の転倒では発生しにくい。選びやすい理由:下肢の骨折であるため、転倒と関連付けやすい。混同注意:大腿骨頚部骨折など、他の下肢の主要な骨折と混同しやすいが、発生機序や部位が異なる。
- 3. 肩甲骨骨折は、主に肩への強い直達外力(交通事故や高所からの転落など)によって発生します。高齢者の転倒では、直接肩甲骨に強い衝撃が加わることは稀で、頻度は非常に低いです。正しくは:高齢者の転倒では発生しにくい。選びやすい理由:上肢の骨折であるため、転倒時に手を着く状況を想像しやすいが、肩甲骨への直接的な衝撃は少ない。混同注意:鎖骨骨折や上腕骨骨折など、他の肩周囲の骨折と混同しやすいが、発生メカニズムが異なる。
- 4. 踵骨骨折は、主に高所からの転落など、足底に強い軸圧がかかることで発生します。高齢者の転倒では、このようなメカニズムは一般的ではなく、頻度は低いです。正しくは:高齢者の転倒では発生しにくい。選びやすい理由:足部の骨折であり、転倒時に足への衝撃を想像しやすい。混同注意:他の足部骨折と混同しやすいが、発生メカニズムが異なる。
- 5. 正解。高齢者が転倒する際、とっさに手をついて体を支えようとすることが多く、その結果として手首の骨である橈骨の遠位端骨折(Colles骨折など)を非常に起こしやすいです。骨粗鬆症のある高齢者では特に発生頻度が高いです。選びやすい理由:これは最も典型的な転倒による骨折の一つであり、選択肢の中で最も正答として適切である。混同注意:他の上肢の骨折(上腕骨近位端骨折など)とも高齢者の転倒で多いが、橈骨遠位端骨折が最も代表的である。
国試ポイント
この問題は、高齢者の転倒メカニズムとその結果として生じやすい特徴的な骨折部位に関する基本的な知識を問うものです。特に、骨粗鬆症を背景とした転倒による上肢の骨折の知識が重要となります。
混同注意
高齢者の転倒で起こりやすい骨折には、他に大腿骨頚部/転子部骨折、脊椎圧迫骨折、上腕骨近位端骨折などもあります。これらの選択肢があった場合に混同する可能性がありますが、橈骨骨折は特に代表的です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、高齢者の転倒で生じやすい他の好発骨折(大腿骨頚部/転子部骨折、脊椎圧迫骨折、上腕骨近位端骨折など)が選択肢に含まれるか、またはこれらの骨折の具体的な病態や発生機序を問う問題が出ると考えられます。また、骨粗鬆症との関連や転倒予防策についても注意が必要です。
関連知識
高齢者の骨折の好発部位:大腿骨頚部/転子部骨折、脊椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折。これらの骨折は、骨粗鬆症と転倒が主な原因となることが多いです。また、転倒予防の重要性についても関連して問われることがあります。