熱傷について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
深達性II度熱傷では、真皮の深層まで損傷が及び、知覚神経終末の一部が障害されるため、痛覚が鈍麻することが特徴です。完全に無痛となるのはIII度熱傷ですが、深達性II度熱傷でも痛みの感覚が鈍くなることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. I度熱傷は表皮のみの損傷であり、水疱は形成されません。水疱はII度熱傷の特徴的な症状です。正しくは:I度熱傷では、紅斑や軽度の腫脹が見られますが、水疱は形成されません。選びやすい理由:水疱は熱傷でよく見られる症状なので、軽度の熱傷でも生じると誤解しやすいかもしれません。混同注意:I度とII度熱傷の症状の違い、特に水疱の有無を混同しやすいです。
- 2. III度熱傷は皮膚全層が壊死しており、基底層も完全に破壊されています。そのため、創底からの自然な上皮化は起こらず、皮膚移植が必要です。正しくは:III度熱傷では、皮膚全層が破壊されるため、自然な上皮化は期待できず、皮膚移植が必要になります。選びやすい理由:一般的な傷の治癒過程をイメージすると、創底からの上皮化を連想しやすいかもしれません。混同注意:II度熱傷とIII度熱傷の治癒機転の違いを混同しやすいです。II度熱傷では付属器由来の上皮化が期待できます。
- 3. 正解。深達性II度熱傷は真皮深層まで損傷が及び、痛覚神経終末の一部が破壊されるため、痛覚が鈍麻することがあります。ただし、完全に痛みがなくなるわけではありません。混同注意:III度熱傷の無痛と混同しやすいですが、深達性II度では鈍麻であり、無痛ではありません。
- 4. 浅達性II度熱傷の水疱底は、真皮乳頭層の血管が保たれているため、健常な皮膚と同様にピンク色や赤色を呈します。蒼白は深達性II度熱傷やIII度熱傷に見られます。正しくは:浅達性II度熱傷では、水疱底は真皮の血管が保たれているため、赤色やピンク色を呈します。選びやすい理由:蒼白=重症というイメージから、熱傷全般で蒼白になると思われがちです。混同注意:浅達性II度と深達性II度の水疱底の色調の違いを混同しやすいです。蒼白は血流が悪い状態を示唆します。
- 5. 熱傷面積の計算では、原則としてII度熱傷とIII度熱傷の面積のみを合算します。I度熱傷は含まれません。正しくは:熱傷面積を計算する際は、II度熱傷とIII度熱傷の面積のみを合算して評価します。選びやすい理由:すべての熱傷の重症度を測るのだから、すべての深達度を含めるべきだと誤解しやすいです。混同注意:緊急度や治療方針に影響する熱傷面積の算出方法について、何を含めるべきかを混同しやすいです。
国試ポイント
熱傷の深達度分類と、それに対応する臨床症状(特に痛み、水疱、皮膚の色調、治癒機転)が正確に理解できているかを問う問題です。各分類の特徴を細部まで覚えている必要があります。
混同注意
I度、浅達性II度、深達性II度、III度の各熱傷の症状(特に痛み、水疱の有無と性状、水疱底の色、皮膚の色)を混同しやすいです。また、熱傷面積の計算方法についても、どの深達度を含めるのかが問われやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に熱傷に関する問題が出た場合、各深達度の治癒期間や瘢痕形成の有無、治療方針(保存療法 vs 手術療法)なども確認すると良いでしょう。また、熱傷面積の算出法を用いた計算問題も頻出です。
関連知識
熱傷の重症度分類(深達度、熱傷面積、特殊部位、年齢)、熱傷の治療原則(応急処置、輸液管理、創処置、感染対策、リハビリテーション)、rule of nines(9の法則)などの熱傷面積算出法。