Parkinson病の評価で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Westphal現象は膝蓋腱反射の減弱または消失を指し、パーキンソン病患者ではしばしば観察される特徴的な所見です。深部腱反射の異常は神経疾患の診断において重要な情報源となります。
選択肢ごとの解説
- 1. Beevor徴候は、腹直筋の片麻痺により臍が患側に偏位する現象で、胸髄レベルの脊髄損傷でみられる評価項目です。パーキンソン病の評価には用いられません。正しくは:この選択肢は胸髄レベルの脊髄損傷の評価項目である。選びやすい理由:神経系の評価項目であるため、誤って選んでしまう可能性がある。混同注意:他の神経疾患の評価と混同しやすい。
- 2. Finkelsteinテストは、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の診断に用いられる整形外科的な検査です。パーキンソン病の評価とは関連がありません。正しくは:この選択肢はドケルバン病の評価項目である。選びやすい理由:手部の痛みの鑑別で用いられるテストとして知識がある場合、無関係な疾患に結びつけてしまう可能性がある。混同注意:整形外科疾患の診断テストと混同しやすい。
- 3. MAS(修正アッシュワーススケール)は、主に痙縮の重症度を評価するために使用されます。パーキンソン病の主症状は固縮であり、痙縮とは病態が異なります。MASは主に脳卒中や脊髄損傷後の痙縮評価に用いられます。正しくは:この選択肢は痙縮の重症度を評価する尺度であり、主に脳卒中や脊髄損傷で用いられる。選びやすい理由:パーキンソン病でも筋の過緊張(固縮)が見られるため、痙縮と固縮を混同して選んでしまう可能性がある。混同注意:痙縮(spasticity)と固縮(rigidity)を混同しやすい。固縮の評価にはUPDRSなど別のスケールが用いられる。
- 4. SARAは、失調症の重症度を評価するために開発されたスケールです。パーキンソン病は失調を主症状とする疾患ではありません。正しくは:この選択肢は失調症の重症度を評価する尺度である。選びやすい理由:パーキンソン病でもバランス障害が見られるため、失調と関連があるように錯覚する可能性がある。混同注意:失調(ataxia)とパーキンソン病におけるバランス障害を混同しやすい。
- 5. 正解。Westphal現象(ウェストファール現象)は、膝蓋腱反射の減弱または消失を指し、パーキンソン病でしばしば観察される特徴的な所見の一つです。錐体外路系疾患であるパーキンソン病では、深部腱反射の亢進が見られないのが一般的であり、この現象はパーキンソン病の診断補助や病態把握に役立ちます。
国試ポイント
この問題は、各疾患に特徴的な評価項目や徴候に関する基本的な知識を問うものです。パーキンソン病の臨床像と関連する特異的な評価指標を正確に理解しているかが試されます。特に、痙縮と固縮の違いや、様々な神経学的所見がどの疾患と関連するかを把握していることが重要です。
混同注意
痙縮を評価するMASとパーキンソン病でみられる固縮を混同しやすい。また、様々な神経学的徴候や身体所見が多数存在するため、それぞれの疾患との関連性を正確に覚えることが難しい。例えば、深部腱反射の亢進/減弱、バビンスキー反射、クローヌスなど。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、パーキンソン病の具体的な症状(振戦、固縮、無動、姿勢反射障害)と、それらを評価するための具体的なスケール(例:UPDRS、Hoehn & Yahr)や、その他の特異的な徴候(例:小刻み歩行、すくみ足)について問われる可能性があります。また、類似する他の神経変性疾患(例:進行性核上性麻痺、多系統萎縮症)との鑑別に用いる評価項目も確認しておく必要があります。
関連知識
パーキンソン病の主要な評価スケールには、UPDRS (Unified Parkinson's Disease Rating Scale) やHoehn & Yahr重症度分類などがあります。また、深部腱反射の異常は、上位運動ニューロン障害(亢進)や下位運動ニューロン障害(減弱・消失)の鑑別にも用いられます。錐体外路疾患であるパーキンソン病では、深部腱反射は正常範囲内か、やや減弱することが一般的です。