排便機構について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
排便は仙髄にある排便中枢による反射運動ですが、これは大脳皮質によって随意的に抑制したり促進したりすることが可能です。便意があっても排便を我慢できるのはこのためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 外肛門括約筋は随意的にコントロール可能な横紋筋(骨格筋)です。平滑筋で構成されているのは内肛門括約筋です。正しくは:外肛門括約筋は横紋筋である。選びやすい理由:内肛門括約筋と外肛門括約筋の区別が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:内肛門括約筋(平滑筋、不随意)と外肛門括約筋(横紋筋、随意)の筋の種類と随意性の違い。
- 2. 便意は、直腸壁が糞便によって伸展されることで生じます。結腸は便を貯留・輸送する器官であり、通常は便意の発生源ではありません。正しくは:直腸壁が伸展されることで便意が生じる。選びやすい理由:結腸も消化管の一部であり、便の存在と関連するため、間違いに気づきにくいかもしれません。混同注意:結腸と直腸の機能の違い、特に便意発生の部位。
- 3. 排便時には内肛門括約筋が弛緩する必要があります。収縮させると便の排出が妨げられます。正しくは:内肛門括約筋が弛緩することで排便が促進される。選びやすい理由:括約筋が「収縮」という言葉に意識が向きやすく、排便時の括約筋の動きを正確に理解していないと間違いやすいです。混同注意:排便時における内肛門括約筋と外肛門括約筋の協調的な動き(内肛門括約筋弛緩、外肛門括約筋弛緩、腹圧上昇など)。
- 4. 正解。排便反射の基本的な中枢は仙髄にありますが、その反射は意識的にコントロールされる大脳皮質からの抑制・促進の両方を受けています。普段は大脳皮質からの抑制により便意があっても排便を我慢できます。選びやすい理由:排便が不随意な反射であるという側面が強調されすぎると、大脳皮質の影響を見落としがちです。混同注意:排便反射の不随意な性質と、随意的なコントロール(大脳皮質による抑制・促進)の関係。
- 5. 食物が胃を拡張させると、胃結腸反射により大腸の蠕動運動は促進されます。これは食後の排便を促す生理的な反射です。正しくは:食物で胃が伸展されると大腸の蠕動運動が促進される。選びやすい理由:胃と大腸が離れているため、直接的な影響がない、あるいは抑制されると誤解しやすいかもしれません。また、消化管の動きは複雑で混乱しやすいです。混同注意:胃結腸反射(胃→大腸蠕動促進)と、その他の消化管反射(例:腸管―腸管反射など)の混同。
国試ポイント
排便機構に関する解剖学的知識(筋の種類)、生理学的知識(便意の発生部位、反射の種類と制御、括約筋の動き)を総合的に問う問題です。特に、不随意な反射と随意的な制御の関係が頻出です。
混同注意
排便に関わる各部位の機能(直腸、結腸、内外肛門括約筋)と、それらを制御する神経系(自律神経、体性神経、中枢神経)の役割。特に、反射と随意性の関係は混乱しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後も排便機構の問題が出題される場合、各消化管の役割、括約筋の協調運動、および自律神経系と中枢神経系による制御(特に随意的なコントロールの仕組み)が問われる可能性が高いです。また、これらが生理的・病理的にどのように影響し合うかについても注意が必要です。
関連知識
排便反射、胃結腸反射、内肛門括約筋と外肛門括約筋の解剖と機能、自律神経系による消化管運動の制御、便秘・下痢のメカニズム。