痛みを主症状とする疾患はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
Buerger病は閉塞性動脈硬化症に類似した病態で、末梢動脈の閉塞による虚血が激しい痛み(間欠性跛行、安静時疼痛)を引き起こします。強直性脊椎炎は慢性炎症性疾患であり、特に仙腸関節や脊椎の炎症により腰部や殿部の痛みが主症状となります。他の選択肢は、Basedow病は甲状腺機能亢進症(動悸、眼球突出など)、Ménière病は内耳疾患(めまい、難聴など)、急性灰白髄炎はウイルス感染による運動麻痺が主症状であり、痛みは主要な症状ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. Basedow病(バセドウ病)は甲状腺機能亢進症の一種で、主な症状は動悸、頻脈、発汗過多、体重減少、眼球突出などであり、痛みは典型的には主症状ではありません。正しくは:Basedow病の主症状は、甲状腺機能亢進による代謝亢進症状(動悸、頻脈、発汗過多、体重減少、振戦など)や、眼球突出、甲状腺腫です。選びやすい理由:疾患名が一般的に知られているため、選択肢として目につきやすい可能性があります。混同注意:自己免疫疾患であるという点で、他の自己免疫疾患と混同されやすいかもしれませんが、症状は全く異なります。
- 2. 正解。Buerger病(バージャー病、閉塞性血栓血管炎)は、末梢動脈の炎症と閉塞を特徴とし、血流障害による四肢の痛み(間欠性跛行、安静時疼痛)や潰瘍、壊疽が主要な症状です。特に安静時疼痛は重度の痛みとして現れます。選びやすい理由:血管系の疾患であるため、関連する症状が想像しにくいかもしれませんが、血流障害は痛みを伴います。
- 3. Ménière病(メニエール病)は内耳の異常によって引き起こされる疾患で、主な症状は回転性のめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感であり、痛みは典型的には主症状ではありません。正しくは:Ménière病の主症状は、めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感の4つです。選びやすい理由:頭部の症状を伴う疾患であるため、頭痛と関連付けてしまう可能性がありますが、実際はめまいが主症状です。混同注意:めまいを伴う他の神経疾患や脳疾患と混同されることがあります。
- 4. 正解。強直性脊椎炎は、脊椎や仙腸関節の炎症を特徴とする慢性的な関節炎であり、腰部や殿部の痛み、こわばりが主要な症状です。炎症が進行すると脊椎の可動域制限や強直を引き起こします。選びやすい理由:慢性的な炎症性疾患であるため、痛みが持続するという点で理解しやすい選択肢です。
- 5. 急性灰白髄炎(ポリオ)は、ポリオウイルス感染による急性ウイルス性疾患で、脊髄の運動ニューロンが障害されることによって弛緩性麻痺を引き起こします。筋肉痛が生じることはありますが、これは発熱など急性期の随伴症状の一つであり、痛みが疾患の主症状ではありません。正しくは:急性灰白髄炎の主症状は、ウイルス感染後の発熱、頭痛、嘔吐などの前駆症状を経て発症する、脊髄前角細胞の障害による弛緩性麻痺です。選びやすい理由:麻痺を伴う疾患であるため、運動器系の問題として関連があるように思えるかもしれませんが、痛みは主要な症状ではありません。混同注意:他の神経疾患による痛みや、筋肉痛を伴う他の感染症と混同されやすいかもしれません。
国試ポイント
様々な疾患の代表的な主症状を正確に理解しているかを問う問題です。特に、身体各部位の痛みに関連する疾患や、一見関連が薄そうに見えても痛みを伴う重要な疾患を識別できるかがポイントとなります。
混同注意
多くの疾患の症状が混同されやすく、特に「痛み」という漠然とした症状と、特定の疾患の主症状との区別が難しい場合があります。疾患の名称と代表的な症状(特に主症状)をセットで覚えることが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、特定の部位の痛み(例:胸痛、腹痛、関節痛)を主症状とする疾患のリストアップや、急性/慢性、炎症性/非炎症性の区別、あるいは特定の検査所見と痛みの関連を問う問題が出題される可能性があります。
関連知識
末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症、糖尿病性神経障害)、リウマチ性疾患(関節リウマチ、脊椎関節炎)、神経疾患(神経痛)、感染症に伴う痛み、内臓痛など、痛みを伴う様々な疾患の病態生理と主要症状を学習しておく必要があります。