発育性股関節形成不全で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
発育性股関節形成不全の乳児期治療では、リーメンビューゲル装具が広く用いられます。この装具は、股関節を屈曲・外転位に保ち、大腿骨頭を臼蓋に深く誘導することで、臼蓋の形成を促し、股関節の安定化を図ります。
選択肢ごとの解説
- 1. 発育性股関節形成不全では、股関節が正常な位置にないため、股関節の開排(外転)は制限されるのが一般的です。正しくは:股関節の開排運動は制限されます。選びやすい理由:一見、関節の可動域は正常に見える場合もあると誤解しやすいですが、解剖学的な位置異常があるため可動域は制限されます。混同注意:健常な股関節の可動域と混同しやすいです。
- 2. 発育性股関節形成不全における大腿骨頭の脱臼は、ほとんどの場合、後方または後上方に起こります。前方脱臼は非常に稀です。正しくは:大腿骨頭は主に後方または後上方に脱臼することが多いです。選びやすい理由:脱臼の方向については知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:他の関節脱臼の方向と混同したり、具体的な方向を覚えていない場合に間違えやすいです。
- 3. 発育性股関節形成不全は、股関節の形態異常により関節軟骨に不均等な負荷がかかるため、将来的に二次性の変形性股関節症を発症するリスクが非常に高いです。適切な治療が行われないとほぼ必発と言えます。正しくは:将来的に二次的な変形性股関節症への進行リスクが高いです。選びやすい理由:小児期の疾患のため、成人期への影響を軽視してしまう可能性があります。混同注意:治療によって完全に治癒すれば問題ないと誤解しやすいですが、構造的な弱さが残る場合があります。
- 4. 外転位保持の免荷装具は、Perthes〈ペルテス〉病の治療に用いる装具です。発育性股関節形成不全の治療として7歳以上で用いるものではありません。正しくは:1歳以上の場合、手術療法や、外転位保持のための骨盤帯付き装具が検討されます。選びやすい理由:装具を使用するという点だけに着目すると、正しいと思ってしまうかもしれません。しかし、年齢と装具の種類の組み合わせ、および「免荷」の目的が不適切です。混同注意:リーメンビューゲル以外の装具の適応年齢や目的と混同しやすいです。
- 5. 正解。リーメンビューゲル装具は、乳児期の発育性股関節形成不全において、股関節を屈曲・外転位に保持することで、骨頭を臼蓋に深く納め、臼蓋の発育を促す保存的治療として第一選択される装具です。
国試ポイント
発育性股関節形成不全の病態生理、診断、および年齢に応じた治療法(特に装具の種類と適応時期)が国試では頻繁に問われます。選択肢の各内容について正確な知識が求められます。
混同注意
リーメンビューゲル装具以外の様々な装具(フレイカ枕、ミラノ装具など)や、その適応年齢、目的(整復保持、免荷など)が混同されやすいです。また、脱臼の方向や二次的な合併症のリスクについても誤解が生じやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際には、病態の理解に加え、特に治療法の適応年齢と装具の具体的な種類、そしてその装具がどのような目的で使用されるのかという点に着目して判断しましょう。また、合併症や予後についても問われる可能性があります。
関連知識
発育性股関節形成不全の診断基準(開排制限、アリス徴候、ギャレアッチ徴候、オルソラニ徴候、バルロー徴候)、レントゲン所見(シャントン線、ペルトン線、ヒルメゲンライナー線など)、手術療法(観血的整復、骨切り術など)についても関連知識として押さえておく必要があります。