前頭葉と側頭葉に限局性の大脳皮質の萎縮を認める疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ピック病は前頭側頭型認知症の一種で、病理学的に大脳の前頭葉と側頭葉に限局した萎縮が特徴的です。これにより、初期には人格変化、行動異常、言語障害などが顕著に現れます。設問の記述は、ピック病の典型的な画像所見と一致します。
選択肢ごとの解説
- 1. アルツハイマー型認知症では、記憶障害が主要な症状であり、初期には海馬や内側側頭葉の萎縮が顕著です。前頭葉に限局した萎縮が特徴ではありません。正しくは:海馬や内側側頭葉の萎縮が初期に顕著で、全体的に進行する疾患である。選びやすい理由:認知症として最も一般的なため、誤って選びやすいかもしれません。混同注意:他の認知症と症状や病変部位が混同されやすいです。
- 2. 正常圧水頭症は、脳室の拡大が見られますが、大脳皮質の萎縮が主要な病変ではありません。特徴的な症状は歩行障害、認知機能障害、尿失禁の3徴です。正しくは:脳室拡大が特徴であり、大脳皮質の萎縮は主要な所見ではない。選びやすい理由:水頭症という言葉から脳の異常を想起しやすいため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:他の脳疾患と画像所見や症状が混同されやすいです。
- 3. 脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの血管病変により引き起こされる認知症で、病変部位は多岐にわたり、特定の脳葉に限局した萎縮が特徴ではありません。皮質下病変が多いです。正しくは:脳血管障害に起因し、病変部位は多岐にわたるが、特定の大脳皮質に限局した萎縮は特徴ではない。選びやすい理由:日本人に比較的多い認知症であるため、一般的な選択肢として検討されやすいです。混同注意:他のタイプの認知症と原因や病態が混同されやすいです。
- 4. 正解。ピック病(前頭側頭型認知症の一種)は、その名称が示す通り、前頭葉と側頭葉に選択的かつ限局的な萎縮が認められることが特徴です。これにより、人格変化や行動異常、言語障害が早期に出現します。正しくは:前頭葉と側頭葉に選択的・限局的な萎縮が見られる。
- 5. レビー小体型認知症は、脳幹や大脳皮質にレビー小体の蓄積が見られる疾患で、認知変動、幻視、パーキンソン症状が特徴です。特定の脳葉に限局した萎縮が主体ではありません。正しくは:レビー小体の蓄積が特徴であり、幻視やパーキンソン症状を伴うことが多いが、特定の脳葉に限局した萎縮は主体ではない。選びやすい理由:アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症の一つであるため、これも一般的な選択肢として考えやすいです。混同注意:アルツハイマー型認知症やパーキンソン病と症状や病理所見が混同されやすいです。
国試ポイント
認知症の各タイプにおける主な病変部位(脳のどの部分の萎縮が特徴的か)や、それに対応する症状を正確に理解しているかが問われています。特に、画像診断で特徴的な所見を示す疾患は、頻繁に出題されます。
混同注意
各認知症の臨床症状と画像所見の関連性。例えば、アルツハイマー病は海馬、内側側頭葉の萎縮が顕著であること、レビー小体型認知症は特異的な萎縮よりもレビー小体沈着が主であることなど。
次に同じ論点が出たら
今後、同じ論点が出た場合は、各認知症の病理学的特徴(異常タンパク質の蓄積部位など)や、早期に現れる主要な臨床症状(記憶障害、行動異常、幻視など)との関連性を問う問題に注意が必要です。
関連知識
認知症の鑑別診断、神経画像診断(MRIなど)における各疾患の特徴、およびそれらの疾患の主な臨床症状。前頭側頭型認知症のさらに詳しい分類(意味性認知症、行動障害型など)。