認知症のスクリーニング検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知症の疑いがある場合に短時間で広範な認知機能を評価できる代表的なスクリーニング検査です。見当識、記銘力、注意・計算、想起、言語、図形構成などの項目が含まれます。他の選択肢は、ADL評価、運動機能評価、パーソナリティ評価、詳細な知能評価など、それぞれ異なる目的で使用される検査です。
選択肢ごとの解説
- 1. Frenchay Activities Index(FAI)は、脳卒中患者の日常生活活動(ADL)を評価するための尺度であり、認知機能のスクリーニングを目的としたものではありません。正しくは:認知機能のスクリーニング検査としてMMSEやHDS-Rなどが挙げられます。選びやすい理由:「Activities」という言葉から、何らかの機能評価に関連すると感じるかもしれませんが、その対象はADLです。混同注意:認知機能検査とADL評価尺度を混同しやすいです。
- 2. Fugl-Meyer Assessment(FMA)は、脳卒中後の運動機能、感覚、関節可動域、バランスなどを包括的に評価するツールであり、認知機能のスクリーニングには使用されません。正しくは:認知機能のスクリーニング検査としてMMSEやHDS-Rなどが挙げられます。選びやすい理由:脳卒中患者の評価によく使われるため、広い範囲の機能評価の一つと誤解されやすいです。混同注意:運動機能評価と認知機能評価を混同しやすいです。
- 3. 正解。MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知症のスクリーニングとして最も広く用いられている検査の一つです。見当識、記銘力、注意・計算、想起、言語、図形構成能力など、様々な認知領域を短時間で評価できます。選びやすい理由:認知機能検査の代表格として認識されています。混同注意:類似のスクリーニング検査としてHDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)があります。
- 4. ロールシャッハ・テストは、パーソナリティや精神病理を評価するための投影法検査であり、インクの染みを見て何に見えるかを答えることで、無意識の思考プロセスなどを分析します。認知症のスクリーニングには用いられません。正しくは:認知機能のスクリーニング検査としてMMSEやHDS-Rなどが挙げられます。選びやすい理由:心理検査であるため、精神状態の評価に関連すると感じるかもしれませんが、目的が異なります。混同注意:認知機能検査とパーソナリティ検査、精神病理評価を混同しやすいです。
- 5. WAIS-Ⅲ(ウェクスラー成人知能検査 第3版)は、成人の全般的知能や認知能力を詳細に評価するための包括的な知能検査であり、認知症のスクリーニングを主目的とするものではありません。スクリーニングとしては時間がかかりすぎ、専門的な実施・解釈が必要です。正しくは:WAIS-Ⅲは詳細な知能評価に用いられますが、スクリーニングにはMMSEやHDS-Rなどが適しています。選びやすい理由:「知能検査」という名称から認知機能評価に直接関連するように思われますが、スクリーニングとは目的・性質が異なります。混同注意:スクリーニング検査と詳細な知能・認知機能評価検査を混同しやすいです。
国試ポイント
理学療法士国家試験では、疾患の評価において多職種連携を前提とした様々な検査や評価指標に関する知識が問われます。特に、認知症のような多岐にわたる機能障害を伴う疾患では、基本的なスクリーニングツールの名称、目的、対象疾患を正確に理解していることが重要です。
混同注意
MMSEとHDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)は、ともに認知症のスクリーニング検査としてよく用いられ、目的が似ています。また、スクリーニング検査と、より詳細な評価や鑑別診断に用いる検査(例:WAIS-Ⅲ)の違いも混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、MMSEの具体的な評価項目や、他の認知症スクリーニング検査(HDS-R、MoCAなど)との違い、あるいはそれぞれの検査が評価する認知領域について問われる可能性があります。
関連知識
MMSEの他に、HDS-R、MoCA(Montreal Cognitive Assessment)、CDR(Clinical Dementia Rating)などが認知症に関連する評価ツールとして重要です。また、各検査のカットオフ値や評価項目についても基本的な知識が必要です。