74歳の男性。右利き。脳卒中後の右片麻痺。食事は食物を細かく刻めば左手でスプーンを用いて食べることができる。入浴はシャワー使用で洗体に介助が必要。トイレ動作は衣服の操作に介助を要するがそれ以外は自力で行える。車椅子とベッド間の移乗は見守りが必要。移動は歩くことはできないが車椅子操作は自力で行え、50 m以上連続駆動が可能。Barthel Indexの得点が10点と評価される項目はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Barthel Indexの移乗項目では、部分的な介助(見守り、指示、身体接触程度の介助)で移乗が可能な場合、10点と評価されます。問題文の「見守りが必要」という状況はこれに該当します。他の選択肢は、介助の程度や自立度がBarthel Indexの他の点数に相当するか、より高い点数(移動の15点)に相当するため、10点にはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 「食物を細かく刻めば左手でスプーンを用いて食べることができる」という記述から、食事の準備に介助が必要と解釈され、Barthel Indexの食事項目では自立とは見なされず、10点(一部介助)ではなく5点(部分介助)またはそれ以下になる可能性が高いです。正しくは:食事の準備から摂取まで完全に自力で行える場合、10点となります。選びやすい理由:スプーンで食事ができる、という部分だけを見ると自立に近いと感じるかもしれませんが、食物を刻む介助が必要な点を見落とすと誤りやすいです。混同注意:「自立」と「部分介助」の判断基準。
- 2. 「洗体に介助が必要」と明記されており、Barthel Indexの入浴項目では、介助が必要な場合は通常0点(全介助)または一部介助の評価となります。10点は入浴が完全に自立している場合に与えられます。正しくは:入浴が完全に自立している場合、10点となります。選びやすい理由:シャワーを使用している、という記述から入浴方法を工夫している点に注目しすぎると誤りやすいです。混同注意:介助の程度と点数の対応。
- 3. 「歩くことはできないが車椅子操作は自力で行え、50m以上連続駆動が可能」という記述から、車椅子による移動が完全に自立していると判断されます。Barthel Indexの移動項目(車椅子使用の場合)では、自立して50m以上移動できる場合は15点となります。10点は短距離の車椅子移動で一部介助を要する場合などに該当します。正しくは:車椅子での移動が完全に自立している場合、15点となります。10点は、介助を要しないが50m未満の移動や、部分的に介助が必要な場合に相当します。選びやすい理由:車椅子移動が可能という点だけを見ると高得点と考えるかもしれませんが、具体的な距離とBarthel Indexの採点基準を把握していないと迷います。混同注意:車椅子移動の「自立」の定義と点数。
- 4. 「衣服の操作に介助を要する」とあり、Barthel Indexのトイレ動作項目では、衣服の着脱に介助が必要な場合は通常5点(部分介助)と評価されます。10点は、完全に自立しているか、一部介助(例:拭く動作のみ介助)の場合に与えられますが、衣服の着脱介助は通常5点以下です。正しくは:トイレ動作が完全に自立している場合、10点となります。選びやすい理由:衣服の操作以外は自力で行えるという部分に注目し、高得点と考えやすいです。混同注意:トイレ動作の介助範囲と点数。
- 5. 正解。「車椅子とベッド間の移乗は見守りが必要」という記述は、Barthel Indexの移乗項目において「見守りまたは指示が必要」な場合、あるいは「軽度の介助があれば可能」な場合に該当し、10点と評価されます。この項目では、部分的な介助で安全に移乗できる状態が10点に相当します。正しくは:記述の通り、見守りや軽度な介助があれば移乗ができる状態はBarthel Indexで10点と評価されます。選びやすい理由:見守りが必要、という言葉を介助と捉えすぎて5点以下と考える人もいるかもしれませんが、Barthel Indexでは見守りも部分介助に含まれます。混同注意:「見守り」と「部分的介助」の区別。
国試ポイント
Barthel Indexの各項目の評価基準と点数配分を正確に理解しているかを問う問題です。特に「見守り」がどの点数に相当するかがポイントです。
混同注意
Barthel Indexにおける「自立」「一部介助」「見守り」などの表現が、具体的な動作内容に対してどの点数に結びつくかについて、曖昧な理解をしていると間違いやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後もBarthel IndexやFIMなどのADL評価指標について、具体的な症例設定と合わせて各項目の採点基準を問う問題が出題される可能性が高いです。特に点数が細分化されている項目(移動、排泄、移乗など)に注意して学習すると良いでしょう。
関連知識
ADL評価指標のBarthel Indexの全項目とその採点基準。FIMとの違い。