28歳の男性。2週前にGuillain-Barré症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を表に示す。 最も障害されていると考えられる運動はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
表では尺骨神経の振幅が著しく低下し、伝導速度も低下しています。尺骨神経支配の小指外転筋による小指外転が最も障害されていると考えられます(公式正答5)。
選択肢ごとの解説
- 1. 母指対立運動は、主に母指対立筋(母指球筋群の一部)によって行われますが、これは小指球筋群とは異なる筋肉です。小指球筋群の機能低下が最も顕著な場合は、母指対立運動よりも小指の運動が直接的に障害されます。正しくは:小指対立運動選びやすい理由:手の機能において重要な運動であり、母指球筋と混同しやすいですが、問われているのは小指球筋群の障害です。混同注意:母指球筋群の機能と小指球筋群の機能
- 2. 示指のMP関節伸展は、主に総指伸筋や背側骨間筋によって行われます。これらは小指球筋群とは異なる筋肉です。正しくは:小指のMP関節伸展選びやすい理由:指の運動全般として捉えがちですが、小指球筋群に特化した運動ではありません。混同注意:総指伸筋や骨間筋の機能
- 3. 中指のDIP関節伸展は、主に虫様筋や骨間筋によって行われます。これらも小指球筋群とは異なる筋肉です。正しくは:小指のDIP関節伸展選びやすい理由:細かな指の動きとして注意を引きますが、小指球筋群の主たる機能ではありません。混同注意:虫様筋や骨間筋の機能
- 4. 環指のPIP関節屈曲は、主に浅指屈筋によって行われます。浅指屈筋は小指球筋群には含まれません。正しくは:小指のPIP関節屈曲選びやすい理由:指の屈曲動作は日常生活で頻繁に使われるため、重要そうに見えますが、小指球筋群の主作用ではありません。混同注意:浅指屈筋の機能
- 5. 正解。小指の外転運動は、小指外転筋(abductor digiti minimi)が主に行う動きであり、この筋肉は小指球筋群の一部です。したがって、小指球筋群の筋力低下が最も顕著な場合、小指の外転が最も障害されます。
国試ポイント
この問題は、手の内在筋(特に小指球筋群)の解剖学と機能的知識を問うものです。個々の筋肉がどの指の、どの関節で、どのような動きを主に行うかを正確に理解しているかが試されます。特に、特定の筋群(例:母指球筋、小指球筋、骨間筋、虫様筋)とその主作用を結びつける能力が重要です。
混同注意
母指球筋群の機能(母指対立、屈曲、外転)と小指球筋群の機能。また、手の他の内在筋(骨間筋、虫様筋)や外来筋(総指伸筋、浅指屈筋、深指屈筋)の機能と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の指の筋肉(例:母指球筋、骨間筋、虫様筋)や、異なる関節(MP関節、PIP関節、DIP関節)の運動に対する各筋群の関与を問う問題が考えられます。また、特定の神経損傷による筋力低下を原因として、どの運動が障害されるかを問う形式も頻出です。
関連知識
小指球筋群の神経支配(尺骨神経)および、その損傷による症状(例:フロマン徴候、鷲手変形)も関連知識として重要です。また、母指球筋群の神経支配(正中神経)との比較もよく出題されます。