ICFで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
ICFは、各構成要素が相互に関連し合うことを前提とした動的なモデルです。また、活動と参加の評価においては、その人が実際に生活している環境下で何を行っているかを示す「実行状況」が、その人の現実の生活機能を表す第一評価点として重視されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ICFは、健康状態、身体機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子が複雑に相互作用する、多軸的かつ動的なモデルであることを前提としています。どれか一つだけが独立して存在するわけではありません。選びやすい理由:ICFの基本概念を理解している受験者にとっては選びやすい選択肢です。混同注意:他の分類や医療モデルのように、各要素が独立していると誤解する可能性があります。
- 2. ICFは、すべての人々の健康状態を記述するための分類であり、障害の有無にかかわらず、全ての人が対象となります。健康と健康に関連する状態を包括的に捉えることを目的としています。正しくは:ICFは、障害の有無にかかわらず、全ての人々の健康状態を記述することを対象としています。選びやすい理由:「国際生活機能分類」という名称から、障害者支援に特化したものだと誤解しやすいです。混同注意:「国際障害分類」(ICIDH)との混同。ICIDHは障害に焦点を当てていましたが、ICFはより広範な生活機能を扱います。
- 3. ICFコアセットは、特定の健康状態や状況に特化して選定されたICFコードのセットであり、全てのICFコードを網羅的に評価する必要をなくし、実用性を高めるために開発されました。全コードを評価するのは現実的ではありません。正しくは:ICFコアセットは、特定の状況に絞って選ばれたICFコードの集合であり、全てのICFコードを評価する必要はありません。選びやすい理由:「コアセット」という言葉から、評価に必要なすべてのコードが含まれていると誤解する可能性があります。混同注意:ICFの膨大なコード体系全体と、その中から抽出されたコアセットの役割を混同する可能性があります。
- 4. ライフスタイル(個人の行動様式、態度、生活習慣など)は、ICFでは『個人因子』に分類されます。環境因子は、個人を取り巻く物理的・社会的・態度的環境を指します。正しくは:個人のライフスタイルは、個人因子の一つに分類されます。選びやすい理由:ライフスタイルが個人の外部にある要因(例: 社会的規範、文化)に影響されることから、環境因子と捉えがちです。混同注意:「個人因子」と「環境因子」の明確な区別。個人因子は個人の内部に固有の背景情報を指し、環境因子は個人が存在する外部の世界を指します。
- 5. 正解。活動と参加の評価では、『実行状況』と『能力』の2つの評価点があります。実行状況は「その人が現在の環境で何を行っているか」を示し、具体的な生活場面での機能を表すため、第一の評価点として重要視されます。能力は「その人が最適な環境下で何ができるか」を示します。選びやすい理由:「能力」も重要な評価点であるため、迷うかもしれませんが、一般的な実践において「実行状況」がより直接的に日常生活での機能を反映するため、第一に評価されます。混同注意:「実行状況」と「能力」の定義と違い。実行状況は実際の環境下での達成度、能力は標準化された環境下での潜在的能力を指します。
国試ポイント
ICFの基本的な枠組み、構成要素間の関係性、対象範囲、そして「活動と参加」の評価における『実行状況』と『能力』の区別と重要性が頻繁に問われます。特に、ICFの全体像の理解と、具体的な因子(個人因子、環境因子)の分類、そして評価指標の定義がポイントです。
混同注意
ICFの対象者(障害者のみではない)、ICFコアセットの役割(全コードではない)、個人因子と環境因子の区別(ライフスタイルは個人因子)、活動と参加の評価点(実行状況と能力の区別)が混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後ICFに関する問題が出た場合、ICFの分類の具体的な例(例えば、特定の病態がICFのどの構成要素に影響するか)、修飾子の具体的な使い方、ICFをリハビリテーション計画にどう活用するか、といった応用的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
国際生活機能分類(ICF)の概念、各構成要素(健康状態、身体機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子)の定義と具体例、ICFコアセットの目的と種類、活動と参加の修飾因子(実行状況修飾因子、能力修飾因子)の適用方法、ICD-10との関係性。