エネルギー蓄積機能によって大きな推進力を得る目的で使われる義足の足部はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
フレックス足(エネルギーストレージ・リターン足)は、カーボンファイバーなどの弾性素材を使用し、接地時に蓄積したエネルギーを蹴り出し時に放出することで、歩行や走行時の推進力を向上させることを目的とした義足の足部です。特に活動量の多いユーザーやスポーツ義足に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 単軸足は足関節の底屈・背屈のみを許容するシンプルな構造の足部です。安定性に優れますが、エネルギー蓄積・放出機能はほとんどありません。正しくは:単軸足は、安定性が高く、膝折れ防止に役立ちますが、エネルギー蓄積機能は限定的です。選びやすい理由:最も基本的な義足の足部の一つなので、選択肢として目につきやすいかもしれません。混同注意:SACH足やSAFE足のような、機能が異なる他の足部と混同しやすいかもしれません。
- 2. SAFE足(Solid Ankle Flexible Endoskeletal foot)は、多軸的な動きが可能で不整地での適応性が高いですが、主に衝撃吸収や路面追従性を目的としており、エネルギー蓄積による推進力向上は主な機能ではありません。正しくは:SAFE足は、衝撃吸収性と多軸性を有し、不整地歩行に適しています。選びやすい理由:多軸的な機能を持つため、一見するとエネルギー効率が良いように思えるかもしれませんが、推進力としてのエネルギー蓄積は主目的ではありません。混同注意:エネルギー蓄積・放出を主機能とするフレックス足や、衝撃吸収・安定性を主機能とするSACH足と混同しやすいかもしれません。
- 3. SACH足(Solid Ankle Cushion Heel foot)は、最も広く用いられる基本的な足部の一つです。衝撃吸収性のあるクッションヒールを持ちますが、足関節の可動域はなく、エネルギー蓄積・放出機能は期待できません。正しくは:SACH足は、シンプルで耐久性が高く、クッションヒールで初期の衝撃を吸収しますが、エネルギー蓄積機能はありません。選びやすい理由:最も普及している義足の足部であり、その汎用性から選びたくなるかもしれません。混同注意:単軸足やSAFE足など、機能が異なる他の足部と混同しやすいかもしれません。
- 4. 正解。フレックス足(エネルギーストレージ・リターン足、ESR足とも呼ばれる)は、複合素材などでできたスプリング状の構造を持ち、地面からの衝撃をエネルギーとして蓄積し、立脚後期から遊脚期にかけてそのエネルギーを放出することで、推進力として活用します。競技用義足にも用いられるなど、大きな推進力を得ることを目的としています。正しくは:この選択肢は正しい記述です。
- 5. Greissinger足は、耐久性や安定性に優れ、比較的軽量な多軸足ですが、エネルギー蓄積による推進力向上を主目的としたものではありません。不整地での適応性が高い特徴があります。正しくは:Greissinger足は、軽量で耐久性のある多軸足であり、不整地での安定性に優れます。選びやすい理由:多軸足の一種であり、足部にある程度の柔軟性があるため、エネルギー蓄積機能があると誤解しやすいかもしれません。混同注意:SAFE足や他の多軸足と混同しやすいかもしれません。また、フレックス足のようなエネルギー蓄積・放出型足部とは機能が異なります。
国試ポイント
義足の足部の種類と、それぞれの主な機能や特徴を正確に理解しているかが問われる問題です。特にエネルギー蓄積・放出機能を持つ足部については、その目的と構造を把握しておく必要があります。
混同注意
各義足の足部の名称とその機能(安定性、衝撃吸収性、不整地対応、エネルギー蓄積など)が混同しやすいです。特に、単軸足、SACH足、SAFE足、フレックス足、Greissinger足といった主要な足部の違いを明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各足部の主要な機能(例: 安定性、衝撃吸収、不整地対応、エネルギー蓄積)を確実に判別できるか、その機能がどのような素材や構造によって実現されているかを問う問題が出る可能性があります。
関連知識
義足の構成要素(ソケット、継手、足部など)の機能と特徴、義足装着者の歩行分析、それぞれの足部が適応となる患者像(活動レベル、生活環境など)。競技用義足や最新の義足技術についても関連知識として押さえておくと良いでしょう。