3歳6か月の脳性麻痺児で、ロフストランド杖などの手に持つ移動器具を使用して歩行可能である。この児のGMFCSのレベルはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
GMFCSレベルIIIは、手持ちの補助具(ロフストランド杖など)を使用して屋内では自立歩行が可能で、屋外では長距離の移動で車椅子を併用することがあるレベルを指します。3歳6か月の脳性麻痺児がロフストランド杖を使用して歩けるという記載は、このレベルIIIの定義に最も合致しています。
選択肢ごとの解説
- 1. レベルIは、補助具なしで屋内外を歩行できる状態を指し、杖を使用している本症例とは異なります。正しくは:ロフストランド杖のような補助具を使用せずに、屋内や屋外を自由に歩行できる。選びやすい理由:一見すると自力で歩行できる点では近いように思えるかもしれませんが、補助具の有無が重要な判断基準です。混同注意:補助具の有無によるGMFCSレベルの細かな区別
- 2. レベルIIは、手すりや短い距離での補助具使用はあるものの、基本的には補助具なしで歩行できる状態を指します。本症例では常にロフストランド杖を使用しているため、これには該当しません。正しくは:ロフストランド杖を使用することなく、ほとんどの環境で歩行でき、長距離の移動でのみ補助具や車椅子を限定的に使用する。選びやすい理由:補助具を使用している点が共通しているため、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:補助具の使用頻度や目的によるGMFCSレベルの細かな区別
- 3. 正解。レベルIIIは、手持ち補助具(ロフストランド杖など)を用いて屋内での自立歩行が可能で、屋外では長距離の移動に車椅子を併用することがある状態を指します。本症例はロフストランド杖を使って歩行できるため、この定義に最も合致します。選びやすい理由:この選択肢が正しい定義と完全に一致しているため、選びやすいです。混同注意:GMFCSの各レベルの具体的な定義
- 4. レベルIVは、電動車椅子を自分で操作するか、介助者の介助により移動する状態を指し、自力でロフストランド杖を使って歩行する本症例とは大きく異なります。正しくは:自力での移動は電動車椅子か介助による歩行器使用が主である。選びやすい理由:重症度が高いと考える場合に選択肢として上がるかもしれませんが、補助具での自力歩行が可能であるため誤りです。混同注意:移動手段が主に車椅子かどうかの判断
- 5. レベルVは、自力での移動が非常に困難であり、すべての移動において全面的に介助が必要な状態を指します。ロフストランド杖を用いて歩行できる本症例とは大きく異なります。正しくは:自力での移動は不可能で、全ての移動において全面的に介助が必要である。選びやすい理由:脳性麻痺の重症度を過剰に見積もる場合に選択肢として考慮されるかもしれませんが、自力歩行が可能であるため誤りです。混同注意:自力移動能力の有無によるGMFCSレベルの区別
国試ポイント
脳性麻痺の粗大運動能力分類システム(GMFCS)の各レベルの定義を、年齢区分(特に6歳未満と6歳以上12歳未満)を考慮して理解することが重要です。
混同注意
GMFCSとMACS(手動能力分類システム)やCFCS(意思疎通機能分類システム)は混同しやすく、それぞれ粗大運動、手動能力、意思疎通の分類であることを理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、まず症例の年齢を確認し、その年齢区分に該当するGMFCSのレベル定義と、提示された移動能力や使用している補助具を照合して判断します。
関連知識
GMFCSは、脳性麻痺児の粗大運動能力を5段階で分類するシステムであり、年齢によって記述が異なります。レベルIは補助具なしで歩行可能、レベルIIは手すりや短い距離で補助具を使用するがほとんど補助具なしで歩行可能、レベルIVは電動車椅子や介助歩行、レベルVは自力での移動が困難で全面的介助が必要です。