健常成人に対して自転車エルゴメーターを用いて10 Wattsから開始し、1分間に15 Watts増加させるランプ負荷法で自覚的最大運動強度まで運動負荷を行った。その際の呼吸循環代謝指標の変化を図に示す。縦軸は一回拍出量、横軸は時間経過を示す。一回拍出量の変化を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
運動開始時、心臓の収縮力増大と静脈還流の増加により一回拍出量は増加しますが、やがて運動強度の上昇に伴い心拍数が増加し、拡張期が短縮するため、最大心拍数の約50%〜60%でプラトーに達し、それ以上は増加しなくなります。グラフ1はこの生理学的変化を正確に示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。健常成人では、運動開始とともに一回拍出量は増加し、ある程度の運動強度でプラトーに達します。これは心臓が最大拡張容量に達し、それ以上の拡張期短縮が充満時間を制限するためと考えられます。グラフ1はこの典型的な変化を示しています。選びやすい理由:一回拍出量の生理的変化を正確に理解しているため、正しい選択肢として迷わず選べる。
- 2. グラフ2は、運動開始とともに継続的に増加し続ける曲線を示しており、これは心拍出量(分時拍出量)や心拍数の変化に類似しています。一回拍出量は最大心拍数の約50-60%でプラトーに達するため、誤りです。正しくは:一回拍出量は運動開始とともに増加するが、最大心拍数の約50-60%でプラトーに達する。選びやすい理由:運動中に心臓の仕事量が増えることから、一回拍出量も継続的に増え続けると誤解しやすい。混同注意:心拍出量(分時拍出量)や心拍数
- 3. グラフ3は、運動開始とともに一時的に増加するものの、すぐに下降している曲線を示しており、一回拍出量の生理的変化とは異なります。このようなパターンを示す指標は一般的ではありません。正しくは:一回拍出量は運動開始とともに増加し、プラトーに達するか、運動強度の上昇に伴って緩やかに上昇する。選びやすい理由:運動初期の反応を過剰に解釈したり、不慣れな指標であると勘違いしたりすることがある。混同注意:運動時の誤った生理的応答のイメージ
- 4. グラフ4は、運動開始後もほとんど変化がなく、低い値で安定している曲線を示しており、これは一回拍出量の生理的変化とは異なります。一回拍出量は運動時には確実に増加します。正しくは:一回拍出量は運動開始とともに増加する。選びやすい理由:運動時でも変化が小さい、あるいはあまり重要でない指標であると誤解することがある。混同注意:安静時の一回拍出量の値や、拡張期血圧の運動時の変化(ほぼ一定)
- 5. グラフ5は、運動開始とともに急激に下降し、低い値で安定している曲線を示しており、これは一回拍出量の生理的変化とは全く異なります。一回拍出量が運動時に下降することはありません。正しくは:一回拍出量は運動開始とともに増加する。選びやすい理由:運動時の生体反応に関する知識が不足している場合、無作為に選択する可能性がある。混同注意:全く異なる生理指標、または誤ったイメージ
国試ポイント
運動時の循環応答(心拍出量、一回拍出量、心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧の変化)を理解する。
混同注意
心拍数や心拍出量(分時拍出量)との混同。心拍出量は運動強度に比例して増加し続けるのに対し、一回拍出量は途中でプラトーに達する点が異なる。
次に同じ論点が出たら
運動開始からの立ち上がり方、ピークに達するまでの時間、プラトーに達するか、運動強度の上昇とともに持続的に上昇するか、下降するかを判断する。
関連知識
心拍出量=一回拍出量×心拍数。運動時には交感神経活動亢進により心拍数および心筋収縮力が増大し、末梢血管抵抗が減少することで、心臓への負担が増加しつつも、全身への血流供給が維持される。収縮期血圧は漸増し、拡張期血圧はほぼ一定かやや低下する。