図に示す方法で股関節に30 Nmの外転トルクを生じさせる等尺性筋力増強運動を行った。作用点Bの力として正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
トルクは「力 × 作用点までの距離」で求められます。問題文では、股関節に30Nmの外転トルクを発生させたいとあり、下図から作用点Bから股関節中心までの距離が0.3m(30cm)であることが読み取れます。したがって、必要な力を F とすると、30 Nm = F × 0.3 m という関係が成り立ちます。これを解くと F = 30 Nm / 0.3 m = 100 N となります。このニュートン(N)の単位をキログラム重(kgf)に換算するには、1 kgf ≒ 9.8 N を用います。よって、100 N / 9.8 N/kgf ≒ 10.2 kgf と計算されます。したがって、選択肢2が正しい答えです。
選択肢ごとの解説
- 1. トルクの計算式(トルク = 力 × 距離)に基づいて算出すると、30Nmのトルクを生じさせるためには、力は20.4kgf(≒200N)となるため、この値は小さすぎます。正しくは:正しい計算により得られる値は20.4kgfです。選びやすい理由:一見すると選択肢の中に含まれるため、計算ミスや単位換算の誤りがあると選択してしまう可能性があります。混同注意:Nmとkgfの単位換算を誤ると、全く異なる値が導き出される可能性があります。
- 2. 正解。トルクの計算式は「トルク = 力 × 距離」です。問題文から股関節に30Nmの外転トルクを生じさせるとあり、図の「作用点Bから股関節中心までの距離」は0.3m(30cm)と読み取れます。作用点Bの力を F とすると、30 Nm = F × 0.3 m となり、F = 30 Nm / 0.3 m = 100 N となります。kgfに換算すると、1 kgf ≒ 9.8 N なので、100 N / 9.8 N/kgf ≒ 10.2 kgf となります。したがって、10.2kgfが正しい値です。選びやすい理由:他の選択肢も類似の数値なので、計算ミスや図からの情報読み取りミスで誤答につながりやすいです。混同注意:力の作用点からの距離を正確に読み取ることが重要です。また、単位のNm(ニュートンメートル)とkgf(キログラム重)の換算を正確に行う必要があります。
- 3. トルクの計算式(トルク = 力 × 距離)に基づいて算出すると、30Nmのトルクを生じさせるためには、力は10.2kgf(≒100N)となるため、この値は大きすぎます。正しくは:正しい計算により得られる値は10.2kgfです。選びやすい理由:計算過程で間違った数値を代入したり、途中で単位換算を誤ったりすると、この値が導き出される可能性があります。混同注意:もし距離を誤って0.2m(20cm)と認識した場合、F=30Nm/0.2m=150Nとなり、150N/9.8N/kgf ≒ 15.3kgf と計算してしまいがちです。図の距離を正確に読み取ることが重要です。
- 4. トルクの計算式(トルク = 力 × 距離)に基づいて算出すると、30Nmのトルクを生じさせるためには、力は10.2kgf(≒100N)となるため、この値は大きすぎます。正しくは:正しい計算により得られる値は10.2kgfです。選びやすい理由:もし距離を誤って0.15m(15cm)と認識した場合、F=30Nm/0.15m=200Nとなり、200N/9.8N/kgf ≒ 20.4kgf と計算してしまいがちです。図の距離を正確に読み取ることが重要です。混同注意:作用点からの距離を誤って設定した場合にこの値が導き出される可能性があります。
- 5. トルクの計算式(トルク = 力 × 距離)に基づいて算出すると、30Nmのトルクを生じさせるためには、力は10.2kgf(≒100N)となるため、この値は大きすぎます。正しくは:正しい計算により得られる値は10.2kgfです。選びやすい理由:誤った計算や単位換算によって、この数値を選択してしまう可能性があります。混同注意:距離をさらに短く見積もった場合や、全く別の計算をしてしまうと、このような大きな値になってしまいます。
国試ポイント
トルクの計算方法と、異なる単位(Nmとkgf)間の換算能力が問われています。特に、図から正確な距離を読み取ることと、Nとkgfの換算係数を覚えておくことが重要です。
混同注意
力の作用点と回転軸からの距離を間違えること、およびニュートン(N)とキログラム重(kgf)の換算比率を誤ることが、主要な混同ポイントとなります。特に、距離をcmで与えられている場合にmに換算し忘れると計算が合わなくなります。
次に同じ論点が出たら
同様の状況で、異なる作用点や異なるトルクが与えられた場合に、適切な力を計算できるか。また、逆に作用する力と距離から生じるトルクを計算できるか。
関連知識
モーメントの原理、てこの原理、筋力測定におけるトルクの概念、物理学における力の単位と換算。特に、静力学における力のつりあいやモーメントのつりあいの考え方は、理学療法士として様々な場面で応用されます。