疾患と病因の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオンという異常なタンパク質が原因で脳に蓄積し、急速に進行する神経変性疾患です。プリオンは感染性を持つため、「感染」が病因として正しい組み合わせとなります。他の選択肢は、疾患と病因の組み合わせが不適切です。パーキンソン病は神経変性、肝性脳症は代謝障害、正常圧水頭症は脳脊髄液吸収障害、多発性硬化症は自己免疫性脱髄が主な病因です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。クロイツフェルト・ヤコブ病は、異常プリオン蛋白の蓄積によって引き起こされる進行性の神経変性疾患であり、プリオンの感染が病因となります。プリオンはウイルスや細菌とは異なる特殊な病原体ですが、感染症として分類されます。
- 2. パーキンソン病の病因は、中脳黒質のドパミン作動性ニューロンが変性・脱落することであり、ミエリン鞘が障害される脱髄とは異なります。正しくは:パーキンソン病神経変性(中脳黒質のドパミン作動性ニューロンの変性・脱落)選びやすい理由:神経系の疾患であるため、神経細胞の障害の一つである脱髄と安易に関連付けてしまう可能性があります。混同注意:多発性硬化症などの脱髄疾患と混同しやすいです。
- 3. 肝性脳症は、重度の肝機能障害によりアンモニアなどの毒性物質が血液中に蓄積し、脳機能に影響を与える代謝性脳症です。神経細胞そのものが変性・脱落していく神経変性疾患とは病態が異なります。正しくは:肝性脳症代謝性(アンモニアなどによる脳機能障害)選びやすい理由:脳の機能が障害されるため、神経変性疾患の一種であると誤解してしまう可能性があります。混同注意:アルツハイマー病やパーキンソン病といった真の神経変性疾患と、代謝性・中毒性脳症を混同しやすいです。
- 4. 正常圧水頭症の主な病態は、脳脊髄液の吸収障害による脳室拡大です。脳の血流が滞るような血行障害が直接の病因ではありません。正しくは:正常圧水頭症脳脊髄液吸収障害選びやすい理由:脳の疾患であるため、脳梗塞や脳出血といった血行障害による病態と関連付けてしまう可能性があります。混同注意:脳血管性認知症や脳梗塞など、脳の血行障害を原因とする疾患と混同しやすいです。
- 5. 多発性硬化症は、中枢神経系のミエリンが自己免疫機序により破壊される脱髄疾患です。脳腫瘍や脊髄腫瘍のような腫瘍性疾患ではありません。正しくは:多発性硬化症自己免疫性脱髄選びやすい理由:脳や脊髄に病変が生じるため、腫瘍と誤解してしまう可能性があります。混同注意:脳腫瘍や他の自己免疫疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
疾患と病因の正確な知識が問われる問題です。特に、神経疾患の多様な病態生理(感染、変性、代謝、脱髄、循環障害など)を理解しているかが試されます。個々の疾患の代表的な病因を正確に覚えることが重要です。
混同注意
神経変性疾患、脱髄疾患、代謝性脳症、脳血管障害、感染症など、神経系の多様な病態が混同されやすいポイントです。それぞれの疾患の根本的な病態生理を明確に区別して理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各疾患の病因・病態生理のキーワードを正確に結びつけられるかを確認する。特に、変性、炎症、感染、代謝、循環、自己免疫、外傷といった基本的な原因分類と、代表的な疾患の組み合わせを問われることが多い。
関連知識
プリオン病(CJD、クールー病など)、パーキンソン病(α-シヌクレイン、レビー小体)、多発性硬化症(自己免疫、ミエリン破壊)、肝性脳症(高アンモニア血症)、正常圧水頭症(脳脊髄液循環障害)。