普通型電動車椅子の装置で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
電動車椅子の安全性に関わる最も重要な機能の一つとして、操縦装置から手を離す、または操作をやめると自動的にブレーキがかかる電磁ブレーキが搭載されています。これにより、利用者が誤って操作を中断しても、車椅子が勝手に動くことを防ぎ、安全を確保します。他の選択肢は、操作部位の多様性、標準的な駆動方式、手動切り替え機構の有無、速度調整機能の統合という点で、いずれも誤った情報です。
選択肢ごとの解説
- 1. 電動車椅子の操縦装置は、利用者の身体機能に応じて上肢だけでなく、下肢、頭部、口など、さまざまな部位で操作できるよう設計されています。多様なニーズに対応するための重要な特徴です。正しくは:操作デバイスは、上肢だけでなく、他の部位(下肢、頭部、口など)でも操作可能です。選びやすい理由:多くの人が電動車椅子のジョイスティックを上肢で操作するイメージを持つため、そう思いがちです。混同注意:手動車椅子や、特定の障害がある方向けの操作方法を知らない場合に、操作が上肢に限定されると誤解しやすいです。
- 2. 標準的な電動車椅子は、直進安定性に優れる後輪駆動が最も一般的です。前輪駆動は小回り性能に優れるという特徴がありますが、一般的な標準型電動車椅子としては後輪駆動が多いです。正しくは:駆動方式としては、後輪駆動タイプが最も一般的です。選びやすい理由:前輪駆動の電動車椅子も存在するため、選択肢として誤りではないように感じやすいかもしれません。混同注意:駆動方式の種類(前輪、中輪、後輪)とその特性(直進性、小回り、悪路走破性など)を混同していると間違いやすいです。
- 3. 電動車椅子には、バッテリー切れや故障の際に、介助者が手動で車椅子を押せるように、クラッチを切って手動走行に切り替える機構が通常備わっています。これは緊急時や短距離の移動に役立つ安全機能の一つです。正しくは:万が一のために、手動での操作に切り替える機能が備わっています。選びやすい理由:「電動」という名称から、手動機能はないと思い込む可能性があります。混同注意:電動と手動の機能を完全に分離していると誤解し、安全面での手動移行の必要性を考慮しない場合に間違えやすいです。
- 4. 電動車椅子の操縦装置(ジョイスティックなど)では、進行方向の操作(前進、後退、左右への旋回)だけでなく、速度の調整(加速、減速)も同時に行うことができます。ほとんどの機種で速度調節機能が統合されています。正しくは:操縦装置では、前進や後退といった進行方向の操作だけでなく、速度の調整も可能です。選びやすい理由:ジョイスティックの物理的な動きが方向操作に直結するため、速度調整は別のダイヤルなどで行うと誤解することがあります。混同注意:車椅子の操作が単なる方向転換のみだと単純に考えてしまうと、速度調節機能を見落とします。
- 5. 正解。これは電動車椅子の最も重要な安全機能の一つである電磁ブレーキ(モーターブレーキ)に関する記述です。利用者が操縦装置から手を離したり、電源を切ったりすると、自動的にブレーキがかかり、意図しない走行や坂道での滑落を防ぎます。これにより安全性が確保されます。
国試ポイント
電動車椅子の基本的な構造、機能、特に安全機能について問う問題です。利用者のQOL向上に直結する福祉用具であるため、その安全性と操作の多様性に関する知識が求められます。単に「動く」だけでなく、どのような工夫が凝らされているかを理解しているかが問われます。
混同注意
手動車椅子との違い、特殊なニーズに対応する電動車椅子(例:座位保持型、立位型など)との違い、一般的な自動車の駆動方式や操作方法との混同。
次に同じ論点が出たら
次回、電動車椅子に関する問題が出題された場合は、以下の点に着目して判断しましょう。1. **安全性に関わる機能(ブレーキ、転倒防止など)**、2. **利用者の身体機能に応じた操作の多様性**、3. **標準的な構造や駆動方式とそのメリット・デメリット**、4. **バッテリーや介助に関する基本的な知識**。
関連知識
電動車椅子の種類(普通型、簡易型、座位保持型)、駆動方式(前輪駆動、中輪駆動、後輪駆動)とその特徴、操作デバイスの種類(ジョイスティック、レバー、スイッチ、特殊入力装置など)、電磁ブレーキの原理、バッテリーの種類と管理、適合の評価方法、安全に関する基準(JISなど)。