筋収縮で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
神経支配比は、一つの運動ニューロンが支配する筋線維の数を示し、筋肉の機能(精密性や出力)によって大きく異なります。例えば、眼球運動に関わる筋肉のように微細な動きが求められる部位では神経支配比が小さく、下肢の筋肉のように大きな力を出す部位では大きくなります。これは、各筋肉が持つ役割に適応した形態学的特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経筋接合部で活動電位を筋線維に伝える主要な神経伝達物質はアセチルコリンです。正しくは:神経筋接合部の伝達物質はアセチルコリンである。選びやすい理由:神経伝達物質という言葉から連想される一般的な物質の一つであるため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:中枢神経系や交感神経終末で作用するノルアドレナリンと、運動神経終末で作用するアセチルコリンを混同している可能性があります。
- 2. 筋収縮の開始時にはカルシウムイオンが筋小胞体から放出されますが、収縮の終結時(弛緩時)には、細胞質から筋小胞体へATPを消費して能動的に取り込まれます。正しくは:カルシウムイオンが筋収縮の終結時に筋小胞体内に取り込まれる。選びやすい理由:カルシウムイオンと筋小胞体の関連性は正しいですが、取り込まれるタイミング(弛緩時)と放出されるタイミング(収縮開始時)の理解が不十分だと誤って選ぶことがあります。混同注意:筋小胞体の機能自体は正しいですが、カルシウムイオンの動態(放出と取り込み)のタイミングやエネルギー消費の有無を混同しやすいです。
- 3. 正解。神経支配比(一つの運動神経が支配する筋線維の数)は、精密な運動が要求される筋肉(例:外眼筋)では小さく、大きな力を出す筋肉(例:大腿四頭筋)では大きいため、それぞれの筋肉で異なっています。選びやすい理由:この選択肢は事実を正確に述べており、特に引っ掛けの要素はありません。
- 4. 筋収縮の直接的なエネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP)であり、ATPがADPとリン酸に分解される際に放出されるエネルギーが利用されます。正しくは:エネルギー源はATPである。選びやすい理由:ATPとADPは互いに関連する物質であるため、その役割を混同しやすいです。ADPはATPがエネルギーを放出した後の状態です。混同注意:ATPとADP、クレアチンリン酸など、筋収縮に関わるエネルギー代謝産物の役割と関係性を混同している可能性があります。
- 5. 筋収縮は、アクチンフィラメントがミオシンフィラメント間に滑り込むことで生じますが、A帯(ミオシンフィラメントの長さで決まる部分)自体の長さは変化しません。I帯やH帯が短縮します。正しくは:I帯やH帯が短縮する。選びやすい理由:筋収縮によって筋が短縮するという大まかな理解から、筋節内のすべての帯が短縮すると誤解する可能性があります。混同注意:筋節内の各帯(A帯、I帯、H帯、Z膜)の定義とその収縮時の変化を混同している可能性があります。
国試ポイント
筋収縮のメカニズムに関する基本的な知識(神経伝達物質、カルシウムイオンの動態、エネルギー代謝、筋節の変化)と、運動単位および神経支配比といった生理学的な概念の正確な理解が問われています。特に、各帯の収縮時の変化を混同しないことが重要です。
混同注意
神経筋接合部の伝達物質(アセチルコリンvsノルアドレナリン)、カルシウムイオンの放出と取り込みのタイミング、エネルギー源(ATP vs ADP)、筋節内の各帯(A帯、I帯、H帯)の収縮時の変化。
次に同じ論点が出たら
筋収縮に関わる生理学的メカニズムについて、各ステップで使用される物質、その動態、および筋線維の構造変化を詳細に問う問題が出題される可能性があります。特に、それぞれの物質(アセチルコリン、Ca2+、ATP)の役割と作用機序、筋収縮に伴う筋節内構造(A帯、I帯、H帯)の変化について正確に理解できているかを確認する。
関連知識
運動単位の定義、遅筋線維と速筋線維の特性、筋紡錘とゴルジ腱器官の機能、筋電図の基礎。