病因のうち化学的要因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アスベストは、ケイ酸塩鉱物からなる繊維状物質であり、体内に入るとその化学的性質と物理的形状の両方から細胞に損傷を与え、発がん性など様々な疾患を引き起こす化学的要因(広義には物理化学的要因)に分類されます。熱、圧力、紫外線、放射線はいずれも物理的なエネルギーや力によって生体に作用する物理的要因です。
選択肢ごとの解説
- 1. 熱は物理的要因に分類されます。細胞や組織に物理的な変化(変性など)をもたらします。正しくは:物理的要因です。選びやすい理由:生体に影響を与えるという点で、他の選択肢と共通する感覚を持つかもしれませんが、その性質が異なります。混同注意:物理的要因(温度、圧力、摩擦など)と混同しやすいです。
- 2. 圧力は物理的要因に分類されます。組織の圧迫や損傷を引き起こします。正しくは:物理的要因です。選びやすい理由:外力として人体に作用するという点で、他の選択肢と似た印象を受けるかもしれませんが、その本質は物理的です。混同注意:物理的要因(熱、放射線、外傷など)と混同しやすいです。
- 3. 紫外線は物理的要因(放射線の一種)です。DNA損傷などを引き起こしますが、その作用は電磁波エネルギーによるものです。正しくは:物理的要因です。選びやすい理由:皮膚がんなど特定の疾病を引き起こすため、化学物質と同様に認識されることがありますが、そのメカニズムは物理的エネルギーによるものです。混同注意:放射線(物理的要因)と化学物質(化学的要因)の区別がつきにくい場合があります。
- 4. 放射線(X線、γ線、α線、β線など)は物理的要因です。電離作用などにより細胞を損傷します。正しくは:物理的要因です。選びやすい理由:非常に強力な生体影響を持つため、アスベストのような化学物質と同列に考えてしまうかもしれませんが、エネルギーの形態が異なります。混同注意:化学的要因と物理的要因の境界があいまいだと感じる可能性があります。
- 5. 正解。アスベスト(石綿)は、ケイ酸塩鉱物の繊維状物質であり、吸入されると肺に沈着し、化学的な刺激や物理的な刺激によって、肺がん、悪性中皮腫などの疾病を引き起こす化学的要因(厳密には物理化学的要因とも言えるが、有害物質として化学的要因に分類される)です。選びやすい理由:繊維状という物理的な特徴も持つため、物理的要因と混同する可能性もありますが、その組成や体内での反応は化学的性質に基づきます。
国試ポイント
病因の分類(物理的、化学的、生物学的、社会心理学的など)に関する基礎知識が問われています。特に、物理的要因と化学的要因の区別は頻出です。具体例を通じて、それぞれの要因がどのような性質を持つかを理解しているかが重要です。
混同注意
物理的要因の中でも、特に微細な粒子やエネルギー波など、化学物質と見分けがつきにくいもの(例:紫外線、放射線、微粒子)は混同しやすい傾向があります。アスベストのように、物理的な形状(繊維状)も病原性に関与する物質は、化学的要因か物理的要因かの判断を迷わせることがあります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず選択肢が『物質そのもの』か『エネルギーの形態』かを区別します。物質であれば化学的要因、エネルギーであれば物理的要因である可能性が高いです。その上で、具体的な物質やエネルギーがどのように生体に影響を与えるか(化学反応か、物理的な力か、電磁波かなど)を考慮して判断します。
関連知識
病因分類(物理的要因:温度、湿度、気圧、光線、放射線、電気、騒音、振動、外力、粉塵など。化学的要因:有害化学物質、毒物、薬物、アレルゲンなど。生物学的要因:細菌、ウイルス、真菌、寄生虫など。社会心理学的要因:ストレス、過労など)。それぞれの要因が引き起こす具体的な疾患例も合わせて学習しておくと良いでしょう。