関節可動域運動で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
関節可動域運動(ROM運動)は、関節の動きを正常に保ち、関節包や周囲軟部組織の短縮を防ぐことで、拘縮を予防・改善することを主要な目的としています。これは運動療法の基礎的な概念です。
選択肢ごとの解説
- 1. 関節可動域運動には自動運動と他動運動があり、自動運動は筋収縮を伴います。筋収縮を伴わないのは他動運動です。正しくは:他動運動の場合は、筋収縮を伴いません。選びやすい理由:関節可動域運動全体を他動運動と誤解すると、筋収縮を伴わないと考えるかもしれません。混同注意:自動運動と他動運動の違い。
- 2. 意識障害がある場合でも、他動的な関節可動域運動は拘縮予防のために重要であり、安全に配慮しながら実施されることがあります。ただし、自動運動は指示に従えないため困難です。正しくは:意識障害がある場合でも、他動的な関節可動域運動は拘縮予防のために行われることがあります。選びやすい理由:意識障害があると協力が得られないため、運動ができないと短絡的に考えてしまう。混同注意:自動運動と他動運動の適応条件。
- 3. 関節可動域運動の主な目的は、関節の動きを維持・改善することです。運動麻痺の改善には筋力増強や協調性運動などがより直接的に寄与します。正しくは:運動麻痺の改善は、関節可動域運動の主要な目的ではありません。選びやすい理由:運動麻痺によって関節可動域が制限される場合もあるため、間接的に関連があると考えてしまう。混同注意:関節可動域運動と筋力トレーニングや神経促通手技の目的。
- 4. 正解。関節可動域運動の最も主要な目的の一つは、関節の可動性を維持し、拘縮の発生を防ぎ、また既に生じた拘縮を治療することです。正しくは:この記述は正しいです。
- 5. 深部感覚障害があっても、他動的な関節可動域運動は慎重に行うことで可能です。ただし、自動運動の場合はフィードバックが不十分なため、注意が必要です。正しくは:深部感覚障害がある場合でも、他動的な関節可動域運動は注意して行われることがあります。選びやすい理由:感覚障害があると安全管理が難しいと感じるため、全て禁忌だと考えてしまう。混同注意:感覚障害時の運動療法の適応と注意点。
国試ポイント
関節可動域運動の基本的な目的と適応・禁忌に関する理解が問われています。特に、自動運動と他動運動の違い、およびそれぞれがどのような状態の患者に適用されるかを知っているかが重要です。
混同注意
関節可動域運動の目的と、筋力増強運動や協調性運動、バランス運動など、他の運動療法の目的が混同されやすいです。また、自動運動と他動運動のそれぞれに固有の適応と禁忌が混同されることもあります。
次に同じ論点が出たら
この問題で「関節可動域運動の目的」が問われているため、次に同様の論点が出題される場合は、「各運動療法の目的」「自動介助運動の具体的な適応」「他動運動の禁忌肢位や注意点」などが問われる可能性があります。また、具体的な疾患(脳卒中、脊髄損傷、関節リウマチなど)における関節可動域運動の適応と注意点も確認が必要です。
関連知識
関節の解剖学、拘縮の病態生理、運動療法の種類とその目的、自動運動と他動運動の定義と実施方法、各種疾患における運動療法の適応と禁忌。