58歳の男性。右脳出血による左片麻痺。発症から3か月経過し、Brunnstrom法ステージでは、左下肢Ⅲで中等度の半側空間無視がみられる。ブレーキのかけ忘れが観察されるが、車椅子とベッド、トイレの移乗動作は自力でできる。下衣をあげること、入浴、階段昇降は介助を要する。平地歩行は杖と装具を使用し、介助で30 m歩行することができる。車椅子駆動は可能である。排泄コントロールは良好で食事と整容は自立レベルであった。Barthel Indexで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
バーセルインデックス(BI)はADLの自立度を評価する指標であり、各項目を評価点に照らして合計します。この症例では、食事10点、整容5点、排便10点、排尿10点、床上移動15点、車椅子操作15点、歩行0点、更衣0点、階段昇降0点、入浴0点となり、これらを合計すると65点となります。特に歩行は介助が必要なため0点、更衣は下衣の介助が必要なため0点、入浴と階段昇降も介助が必要なため0点となる点が重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 本症例のBI合計点数は65点であり、55点ではないため誤り。正しくは:各項目の点数を正確に合計すると65点となる。選びやすい理由:部分的な介助が必要な項目が多いため、全体的に低く見積もりがちになる。混同注意:各項目における部分介助と全介助の点数基準の厳密な区別。
- 2. 本症例のBI合計点数は65点であり、60点ではないため誤り。正しくは:各項目の点数を正確に合計すると65点となる。選びやすい理由:歩行が介助で30m可能である点を部分点と勘違いしやすい。混同注意:歩行の評価基準(杖と装具で30m介助歩行は0点)の解釈。
- 3. 正解。食事10点(自立)、整容5点(自立)、排便10点(良好で自立)、排尿10点(良好で自立)、床上移動15点(自力で移動)、車椅子操作15点(問題なくできる)、歩行0点(介助必要)、更衣0点(下衣に介助必要)、階段昇降0点(介助必要)、入浴0点(介助必要)。合計すると10+5+10+10+15+15+0+0+0+0 = 65点となるため正しい。
- 4. 本症例のBI合計点数は65点であり、70点ではないため誤り。正しくは:各項目の点数を正確に合計すると65点となる。選びやすい理由:車椅子操作が問題なくできる点や、ベッド・車椅子・トイレ間の移動が自力でできる点を高く評価しすぎる傾向がある。混同注意:移動能力全般の評価と、バーセルインデックスの特定の項目(床上移動、車椅子操作、歩行)の点数配分。
- 5. 本症例のBI合計点数は65点であり、75点ではないため誤り。正しくは:各項目の点数を正確に合計すると65点となる。選びやすい理由:食事や整容、排泄が自立しているため、全体的な自立度を高く見積もりがちになる。混同注意:自立している項目と介助が必要な項目を混同し、合計点を高く見誤る。
国試ポイント
バーセルインデックスの各評価項目の基準と点数を正確に理解し、症例情報から適切に判断できるかが問われる。特に部分介助が必要な場合の点数配分を確実に覚える必要がある。
混同注意
バーセルインデックスの各項目の評価基準、特に「部分介助」と「全介助」の区別、および「自立」の基準について混同しやすい。介助があれば一律0点ではない項目もあるため注意が必要。
次に同じ論点が出たら
次に出題された場合は、BIの各評価項目の点数基準(特に自立、部分介助、全介助の区別)を正確に参照し、症例の具体的なADL能力と照らし合わせて判断する。
関連知識
FIM(機能的自立度評価表)との違いや、それぞれの評価スケールがどのような目的で使われるかを理解しておく。BIは主に回復期や慢性期でのADL評価に用いられ、FIMはより詳細な介助量を評価できる。