食道癌について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
食道癌の発生には、飲酒と喫煙が重要な危険因子であることが広く知られています。これらは相乗的に作用し、発症リスクを大幅に高めます。
選択肢ごとの解説
- 1. 食道癌は男性に多く発症する傾向があります。特に日本においては、男女比は5〜7:1と男性に圧倒的に多い疾患です。正しくは:食道癌は男性に多い。選びやすい理由:がんの種類によっては女性に多いものもあるため、知識が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:甲状腺癌や胆石症など、女性に多い疾患と混同する可能性があります。
- 2. 日本では食道癌のほとんど(約90%以上)は扁平上皮癌であり、腺癌は非常に稀です。正しくは:食道癌は扁平上皮癌が90%以上を占める。選びやすい理由:「90%を占める」という断定的な数字は、いかにも正しい情報のように聞こえます。胃癌や大腸癌では腺癌が多いため、その知識と混同する可能性があります。混同注意:食道癌の組織型(扁平上皮癌、腺癌)と、他の消化器癌(胃癌、大腸癌)の組織型が混同しやすいです。欧米ではバレット食道による腺癌の割合が増加傾向にありますが、日本ではまだ少数です。
- 3. 食道はリンパ管が非常に発達しているため、食道癌はリンパ行性転移を起こしやすいことで知られています。特に多発・広範囲に転移しやすい特徴があります。正しくは:リンパ行性転移は高頻度に起こる。選びやすい理由:早期癌であれば転移が少ないというイメージから、稀であると誤解する可能性があります。混同注意:他の消化器癌の転移様式や、早期癌と進行癌の転移率の違いと混同する可能性があります。
- 4. 正解。飲酒と喫煙は、食道癌(特に扁平上皮癌)の二大危険因子として広く認識されており、発症リスクを著しく上昇させます。これらは相乗効果も持つとされています。選びやすい理由:健康リスクに関する一般的な知識として正しく、迷いなく選べるでしょう。混同注意:特に混同する点は少ないですが、他の生活習慣病のリスク因子と共通することから、癌一般のリスク因子と考えることもできます。
- 5. 食道癌は食道中部での発生が最も多く(約半数)、次に下部、上部の順になります。正しくは:中部食道の発症率が最も高い。選びやすい理由:胃に近い下部食道は消化器系の癌が多いイメージがあるため、選択しやすいかもしれません。混同注意:胃癌など他の消化器癌の好発部位や、バレット食道関連腺癌の好発部位(下部食道)と混同する可能性があります。
国試ポイント
食道癌の疫学、病理学的特徴、危険因子、転移様式、好発部位に関する基本的な知識が問われています。特に日本における食道癌の特性(男性に多い、扁平上皮癌が主、飲酒・喫煙が危険因子、リンパ行性転移が多い、中部食道に好発)を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
他の消化器癌(胃癌、大腸癌など)との組織型、好発部位、性差、転移様式などの違い。また、欧米での食道腺癌の増加傾向と、日本での扁平上皮癌が主体であるという状況の違い。
次に同じ論点が出たら
食道癌の問題が再度出題された場合、病期診断における検査(内視鏡検査、CT、PETなど)、治療法選択の基準、術前・術後のリハビリテーションの具体的内容、または嚥下障害の評価と介入方法など、より臨床的な側面や理学療法士の関わりについて問われる可能性があります。
関連知識
食道癌のステージ分類、治療法(手術、化学療法、放射線療法)、術後合併症、嚥下障害へのリハビリテーション。バレット食道とその癌化リスク。アカラシア。