皮膚筋炎について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
皮膚筋炎は、全身性の自己免疫疾患であり、特に高齢者の場合、悪性腫瘍(癌)を高頻度で合併することが知られています。これは傍腫瘍症候群の一種とされています。そのため、皮膚筋炎と診断された際には、悪性腫瘍の有無をスクリーニングすることが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 皮膚筋炎の発症には、通常、先行する感染症は関係ありません。先行感染が関与するのは、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)やギラン・バレー症候群などの神経疾患や、リウマチ熱などの炎症性疾患です。正しくは:感染症の先行は特徴的ではありません。選びやすい理由:他の自己免疫疾患や炎症性疾患の中には、先行感染が発症の誘因となるものがあるため、混同しやすいです。混同注意:リウマチ熱、ギラン・バレー症候群など、先行感染と関連する疾患。
- 2. 正解。皮膚筋炎は、特に高齢者の場合、悪性腫瘍(癌)の合併を高頻度に見ることが知られています。これは傍腫瘍症候群の一つと考えられています。選びやすい理由:一見すると無関係な病態に思えるため、疑ってしまうかもしれませんが、重要な特徴です。
- 3. 胸腺腫との合併が特徴的なのは、重症筋無力症です。皮膚筋炎とは直接的な関連性は低いとされています。正しくは:胸腺腫の合併はまれです。選びやすい理由:自己免疫疾患同士で合併症が共通していると考えるかもしれませんが、特定の疾患に特異的な合併症があります。混同注意:重症筋無力症との合併症。
- 4. 皮膚筋炎は全身の骨格筋に炎症を引き起こすため、嚥下に関わる咽頭筋や食道筋が侵されると嚥下障害をきたすことがあります。これは日常生活動作(ADL)に大きな影響を与える症状の一つです。正しくは:嚥下障害を引き起こすことがあります。選びやすい理由:嚥下障害が目立たない軽症例もあるため、常に生じるわけではないと誤解しやすいですが、起こりうる重要な症状です。混同注意:炎症が主に四肢に限定されるという誤解。
- 5. 皮膚筋炎における筋力低下は、通常、体幹に近い近位筋(肩や股関節周囲の筋肉)に優位に現れます。これは立ち上がりや腕の挙上動作の困難さとして現れることが多いです。正しくは:筋力低下は主に体幹に近い近位筋に現れます。選びやすい理由:末梢神経疾患や他の筋疾患の中には遠位筋優位のものもあるため、混同しやすいです。混同注意:末梢神経障害や筋ジストロフィーの一部など、遠位筋優位の筋力低下を示す他の疾患。
国試ポイント
この問題は、皮膚筋炎の重要な臨床的特徴、特に悪性腫瘍との関連性について問うものです。自己免疫疾患の鑑別診断や、それぞれの疾患に特有の合併症を正確に理解しているかが試されます。また、他の選択肢も皮膚筋炎でみられる症状や、他の疾患と混同しやすいポイントが含まれており、知識の正確性が求められます。
混同注意
胸腺腫の合併(重症筋無力症)、先行感染(ギラン・バレー症候群など)、遠位筋優位の筋力低下(一部の筋ジストロフィー、末梢神経障害)といった、他の疾患の特徴との混同が起きやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、皮膚筋炎の問題が出題された場合、症状(皮膚症状、筋力低下の分布、嚥下障害)、合併症(悪性腫瘍、間質性肺炎)、診断基準、治療法、リハビリテーションの注意点などが問われる可能性があります。特に、悪性腫瘍の合併スクリーニングの重要性や、近位筋優位の筋力低下、特徴的な皮膚症状は頻出ポイントと考えられます。
関連知識
皮膚筋炎と多発性筋炎は、特発性炎症性筋疾患として分類され、筋力低下や筋酵素上昇をきたしますが、皮膚症状の有無や悪性腫瘍の合併率などで区別されます。特に皮膚筋炎は悪性腫瘍の合併率が高いことで知られています。筋力低下は近位筋優位で、Gottron徴候やヘリオトロープ疹などの特徴的な皮膚症状を伴います。嚥下障害や呼吸筋麻痺をきたすこともあります。