悪性の骨軟部腫瘍が疑われる場合、診断確定に最も重要なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
悪性骨軟部腫瘍の診断を確定するためには、病変部位の組織を直接採取し、病理医による詳細な顕微鏡検査(組織学的診断)を行う生検が最も不可欠です。画像検査や血液検査は腫瘍の存在を示唆したり、病期を評価したりする補助的な役割を担いますが、悪性か良性か、どのような種類の悪性腫瘍かを最終的に特定できるのは生検による病理診断のみです。
選択肢ごとの解説
- 1. PET-CT検査は、悪性腫瘍の病期診断(転移の有無など)や治療効果の判定に有用ですが、組織学的診断(細胞の種類や悪性度)を直接行うものではないため、診断確定に最も重要とは言えません。正しくは:悪性腫瘍の転移検索や病期診断に非常に有用である。選びやすい理由:画像診断の一種であり、全身を評価できるため、悪性腫瘍の発見に役立つと思われがちですが、確定診断には至らない点を混同しやすいです。混同注意:病期診断や治療効果判定と確定診断。
- 2. 正解。生検は、疑わしい部位から組織の一部を採取し、病理学的に詳細に調べる検査です。これにより、細胞の形態や配列、悪性度などを直接評価できるため、骨軟部腫瘍の悪性診断を確定する上で最も決定的な情報が得られます。
- 3. 血液検査は、腫瘍マーカーや炎症反応などを評価し、悪性腫瘍の存在を示唆したり、病状の進行度を推測したりする補助的な情報を提供しますが、細胞レベルでの診断確定はできません。正しくは:腫瘍マーカーの上昇や貧血の有無など、悪性腫瘍に伴う全身状態の変化を評価するために用いられる。選びやすい理由:腫瘍マーカーが有名であるため、悪性腫瘍の診断に直接的かと思われがちですが、確定診断には組織学的評価が必要である点を誤解しやすいです。混同注意:補助診断と確定診断。
- 4. 骨密度測定は主に骨粗鬆症の診断に用いられる検査であり、悪性の骨軟部腫瘍の診断確定とは直接的な関係がありません。骨腫瘍によって骨の破壊が生じることはありますが、骨密度測定自体が確定診断に寄与することはありません。正しくは:骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に用いられる。選びやすい理由:「骨」という言葉から関連があるように見えるかもしれませんが、腫瘍の質的診断とは無関係です。混同注意:骨の構造変化と骨の密度変化。
- 5. 超音波検査は、病変の位置、大きさ、内部構造(充実性か嚢胞性かなど)を評価するのに有用であり、生検のガイドとしても使用されますが、組織を直接採取して病理学的に診断する生検のような確定診断能力はありません。正しくは:病変の形態や性状を評価したり、生検時の針の誘導に用いられたりする。選びやすい理由:非侵襲的な画像診断であり、病変の存在を視覚的に捉えられるため、診断に有効だと思われやすいですが、確定的な質的診断はできません。混同注意:病変の検出や性状の評価と確定診断。
国試ポイント
腫瘍の確定診断に必要な検査は何か、特に組織学的診断の重要性について問う問題です。様々な検査法の役割と限界を理解しているかが試されます。特に、画像診断や血液検査が補助的診断にとどまり、最終的な確定診断には生検が不可欠であるという点を正確に把握している必要があります。
混同注意
悪性腫瘍の「発見」や「病期診断(ステージング)」に有用な検査(PET-CT、MRI、CT、超音波など)と、「診断確定(組織学的診断)」に不可欠な検査(生検)との違い。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、「確定診断」というキーワードに注目し、どの検査が最終的な病理学的評価を可能にするかを判断する。また、各検査が診断プロセスのどの段階(スクリーニング、病変の特定、病期診断、確定診断、治療効果判定など)で最も有用であるかを区別する。
関連知識
悪性腫瘍の診断プロセス(画像診断、血液検査、生検、病理診断)各画像診断法(X線、CT、MRI、PET-CT、超音波)の適応と特徴腫瘍マーカーの意義と限界骨軟部腫瘍の分類と特徴