45歳の女性。3日前、自宅で荷物を持ち上げた際に、腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった。安静にしていたが、疼痛が軽快しないため受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。 最も疑われる病変部位はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
症例は腰椎椎間板ヘルニアで、腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけて強い痛みがあります。下腿後面から足部外側にかけての領域はS1神経根の支配領域に一致します。S1神経根は、L5/S1椎間板のヘルニアで圧迫されることが多いため、最も疑われる病変部位はL5/S1です(公式正答5)。L4/5のヘルニアでは主にL5神経根が圧迫され、下腿外側から足背(母趾側)にかけての症状が中心となります。
選択肢ごとの解説
- 1. L1/2の障害では、鼠径部・大腿前面上部の症状が中心となります。正しくは:下腿後面〜足部外側の症状はS1神経根で、L5/S1が疑われます。選びやすい理由:腰部の痛みから上位の腰椎を選ぶことがあります。混同注意:神経根とデルマトーム
- 2. L2/3の障害では、大腿前面の症状が中心となります。正しくは:下腿後面〜足部外側の症状はS1神経根で、L5/S1が疑われます。選びやすい理由:腰椎の中位として選びやすい選択肢です。混同注意:神経根とデルマトーム
- 3. L3/4のヘルニアでは主にL4神経根が障害され、大腿前面〜下腿内側の症状や膝蓋腱反射の低下が生じます。正しくは:下腿後面〜足部外側の症状はS1神経根で、L5/S1が疑われます。選びやすい理由:腰椎椎間板ヘルニアの好発部位の一つとして選びやすい選択肢です。混同注意:L4神経根とS1神経根
- 4. L4/5のヘルニアでは主にL5神経根が障害され、下腿外側から足背(母趾側)にかけての症状が中心となります。正しくは:下腿後面〜足部外側の症状はS1神経根で、L5/S1が疑われます。選びやすい理由:最も多い好発部位のため選びやすい選択肢です。混同注意:L5神経根とS1神経根
- 5. 正解。下腿後面から足背外側部にかけての症状はS1神経根の支配領域に一致し、L5/S1のヘルニアが最も疑われます(公式正答)。
国試ポイント
椎間板ヘルニアの症状の分布(デルマトーム)から、圧迫されている神経根と椎間高位を推定できるかが問われています。
混同注意
L4/5のヘルニアではL5神経根、L5/S1のヘルニアではS1神経根が障害されることが多い、という対応を取り違えやすい問題です。
次に同じ論点が出たら
神経根症状(筋力・反射・感覚)を評価し、急性期は疼痛を増悪させない姿勢・動作の指導から始める(問16)。
関連知識
神経根と主な所見:L4 膝蓋腱反射の低下・下腿内側の感覚障害、L5 長母趾伸筋の筋力低下・下腿外側〜足背の感覚障害、S1 アキレス腱反射の低下・下腿後面〜足部外側・足底の感覚障害。