正常歩行の立脚相で筋活動が最大となるのが最も遅いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
正常歩行において、大殿筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、前脛骨筋は主に立脚初期(初期接地から荷重応答期)にかけて、身体の安定化や衝撃吸収、姿勢制御のために最大活動を示します。一方、下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)は立脚中期から後期にかけて、足関節の底屈により身体を前方へ推進させる(プッシュオフ)際に最大活動を示します。この推進力は、提示された筋の中で最も遅いタイミングで発揮される重要な機能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正常歩行の立脚初期(初期接地から荷重応答期にかけて)に、股関節伸展の主要な役割を果たすため、最大活動は比較的早いタイミングで生じます。正しくは:大殿筋は立脚初期(初期接地〜荷重応答期)に最大活動を示します。選びやすい理由:股関節の安定化に重要なため、立脚相全体で活動すると誤解しやすいですが、最大活動は初期です。混同注意:大腿四頭筋や他の股関節周囲筋の活動タイミングと混同しやすいことがあります。
- 2. 正常歩行の立脚初期(荷重応答期)において、膝関節の屈曲を制御するための遠心性収縮が最大活動となります。これは比較的早いタイミングです。正しくは:大腿四頭筋は荷重応答期に最大活動を示します。選びやすい理由:膝関節の安定化に不可欠なため、立脚相全体で活動すると誤解しやすいですが、最大活動は初期です。混同注意:立脚中期以降の膝関節伸展維持に必要な筋活動と混同しやすいですが、その時の活動は最大ではありません。
- 3. 遊脚後期に加えて、立脚初期(初期接地から荷重応答期にかけて)に股関節の伸展を補助し、膝関節の安定化に関与するため、最大活動は比較的早い時期に生じます。正しくは:大腿二頭筋は立脚初期に最大活動を示します。選びやすい理由:遊脚相での活動が強いため、立脚相での活動を見落としがちですが、初期にはしっかり活動します。混同注意:大腿四頭筋の拮抗筋としての役割や、他のハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋)との活動タイミングの差と混同しやすいことがあります。
- 4. 遊脚相で足関節を背屈させてクリアランスを確保する他、立脚初期(初期接地時)に足部が床に衝突するのを制御するために遠心性収縮で最大活動を示します。これは立脚相の最も早い時期です。正しくは:前脛骨筋は立脚相の最も早い時期(初期接地直後)に最大活動を示します。選びやすい理由:遊脚相の主要な筋であるため、立脚相での活動を見落としがちですが、初期接地時の制御に重要です。混同注意:下腿三頭筋の拮抗筋であるため、活動タイミングが逆になることを忘れてしまうことがあります。
- 5. 正解。正常歩行の立脚中期から後期(terminal stance, pre-swingにかけて)において、足関節の底屈による推進力(push-off)を生成するために最大活動を示します。これは提示された筋の中で最も活動が遅いタイミングです。
国試ポイント
歩行周期における各筋の活動タイミングと役割は国家試験で頻繁に問われます。特に立脚相での筋の活動パターン、遠心性・求心性収縮、そして最大活動を示す時期を理解しているかが重要です。
混同注意
立脚初期に活動する筋(大殿筋、大腿四頭筋、前脛骨筋など)と、立脚後期に活動がピークを迎える筋(下腿三頭筋)との区別が曖昧になりやすいです。また、遊脚相での主要な筋(例:前脛骨筋)が立脚相のどの時期に活動するかも混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、選択肢の各筋が歩行周期のどのフェーズ(立脚相の初期、中期、後期、遊脚相など)で主に活動し、その活動がどのような機能(衝撃吸収、安定化、推進、クリアランス確保など)を果たすのかに注目して判断します。
関連知識
ロッカー機能(アンクルロッカー、ニーロッカー、ヒップロッカー)と各関節の動き、およびそれに伴う筋活動の関係を理解することが重要です。また、各筋の求心性収縮と遠心性収縮が歩行のどのフェーズで起こるかも関連知識として問われます。