二重積の規定因子はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
二重積は心拍数と収縮期血圧の積で定義され、心臓が単位時間あたりに消費する酸素量(心筋酸素消費量)を反映する指標です。心拍数が増加したり、収縮期血圧が上昇すると心臓の仕事量が増大し、それに伴い心筋酸素消費量が増加するため、二重積も増加します。
選択肢ごとの解説
- 1. 呼吸数は心筋酸素消費量とは直接的な規定因子ではありません。呼吸は肺でのガス交換に関わる身体活動であり、心臓の仕事量とは別の生理機能です。正しくは:心拍数または収縮期血圧。選びやすい理由:運動負荷時に心拍数と呼吸数はともに増加するため、関連があるように感じやすいですが、二重積の直接的な算出因子ではありません。混同注意:運動時の生体反応全般、特に心肺機能の指標としての呼吸応答。
- 2. 正解。心拍数は二重積の構成因子の一つです。心拍数が増加すると心臓が収縮する回数が増え、心筋の仕事量と酸素消費量が増大するため、二重積も増加します。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、特に『なぜ選びやすいか』は該当しません。混同注意:心拍出量(心拍数と一回拍出量の積)との混同に注意が必要です。二重積は心拍出量そのものではなく、心拍数自体を因子とします。
- 3. 一回拍出量は心臓が1回の収縮で送り出す血液量であり、二重積の直接的な規定因子ではありません。二重積は心拍数と収縮期血圧の積で算出されます。正しくは:心拍数または収縮期血圧。選びやすい理由:一回拍出量は心拍出量(心臓が1分間に送り出す血液量)の構成要素であり、心機能の重要な指標であるため、心臓関連の指標として選びやすいです。しかし、二重積の直接的な計算式には含まれません。混同注意:心拍出量、心係数など、他の心機能を示す指標。
- 4. 正解。収縮期血圧は二重積の構成因子の一つです。収縮期血圧が高いほど、心臓はより強い力で血液を駆出する必要があり、心筋の仕事量と酸素消費量が増大するため、二重積も増加します。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、特に『なぜ選びやすいか』は該当しません。混同注意:拡張期血圧や平均血圧との混同に注意が必要です。二重積に用いられるのは収縮期血圧です。
- 5. 動静脈酸素較差は組織での酸素消費量を示す指標であり、二重積の規定因子ではありません。これは全身の酸素需要と供給のバランスを示します。正しくは:心拍数または収縮期血圧。選びやすい理由:『酸素』という言葉が含まれているため、心筋酸素消費量と関連があるように感じられますが、二重積は心臓の『仕事量』を反映するものであり、動静脈酸素較差とは異なる概念です。混同注意:心筋酸素消費量そのもの、あるいは全身の酸素代謝に関連する他の指標(酸素摂取量など)。
国試ポイント
二重積(rate pressure product: RPP)が心拍数と収縮期血圧の積で構成され、心筋酸素消費量の指標であることを覚える。心臓リハビリテーションや心疾患患者の運動負荷試験における運動強度設定の目安として重要。
混同注意
心拍出量(一回拍出量×心拍数)は全身への血液拍出量であり、二重積とは異なる概念です。また、心臓のポンプ機能を示すEF(駆出分画)とも混同しないように区別が必要です。二重積は心臓の『仕事量』、『酸素消費量』の指標です。
次に同じ論点が出たら
心筋酸素消費量に関連する指標か、心臓の仕事量を反映する因子かを確認し、特に心拍数と収縮期血圧の組み合わせが直接的な算出因子であることを判断する。
関連知識
心筋酸素消費量の決定因子には、心拍数、心室壁張力(収縮期血圧に相関)、心筋収縮力、心室壁収縮速度などがあります。その中で、心拍数と収縮期血圧は臨床で簡便に測定できるため、二重積として心筋酸素消費量の間接的な指標として広く用いられています。虚血性心疾患患者では、二重積が一定値を超えると狭心症発作を誘発しやすくなります。