14歳の女子。第5胸椎を頂椎とする側弯症。Cobb角は18度である。体幹前屈時の様子を図に示す。正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
画像は体幹前屈時のアダムス肢位における所見を示しており、右側の肋骨隆起(rib hump)が認められます。これは胸椎が右凸に側弯し、椎体が凸側に回旋しているためです。この回旋により、凸側の肋骨が後方に押し出され隆起として視認されます。したがって、この所見から右凸の側弯であることが判断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。画像のアダムス前方屈曲テストにおいて、体幹の右側に肋骨隆起が認められます。これは胸椎が右凸に側弯し、椎体が右方向に回旋しているために生じる典型的な所見です。選びやすい理由:特になし。画像所見と側弯の病態生理が一致しているため。混同注意:側弯の凸側と肋骨隆起の関係。
- 2. 問題文にあるCobb角18度は、特発性側弯症において手術療法が適応となる40~45度以上という基準には達していません。手術は通常、Cobb角が進行性でこの基準を超える場合や、装具療法が無効な場合に考慮されます。正しくは:Cobb角が40〜45度以上の場合、手術療法の適応となる。選びやすい理由:側弯症という診断だけで重症と捉え、手術適応と考えやすい。しかしCobb角の数値に基づく判断が重要である。混同注意:側弯症の各治療法(経過観察、装具、手術)の適応基準。
- 3. 側弯体操は側弯症の進行を抑制する補助的な役割はありますが、骨性の変形である側弯を矯正する効果は限定的です。進行性の側弯症では、体操のみでの矯正は困難です。正しくは:側弯体操は姿勢改善や筋力強化に役立つが、側弯自体を矯正する効果は限定的である。選びやすい理由:「体操」という言葉から、治療効果があると誤解しやすい。特に軽度側弯の場合は効果があるように思えるため。混同注意:体操の目的(進行抑制、症状緩和)と矯正効果の有無。
- 4. Boston型装具は、通常Cobb角が20~25度以上で、骨成熟が完了していない進行性の側弯症に対して適応されます。本症例のCobb角は18度であり、装具療法の絶対的な適応基準には満たないため、現時点では経過観察が一般的です。正しくは:Cobb角が20〜25度以上で進行性の場合、Boston型装具の適応となる。選びやすい理由:14歳という成長期であることと、側弯があることから装具療法が必要だと考えやすい。Cobb角の基準を正確に覚えていないと誤判断しやすい。混同注意:装具療法の適応基準とCobb角の数値。
- 5. 特発性側弯症では、脊椎の側弯と同時に椎体の回旋が生じます。棘突起は椎体の回旋と逆方向に回旋するため、凸側とは反対の凹側へ回旋します。したがって、本症例が右凸の側弯であるならば、棘突起は左(凹側)へ回旋します。正しくは:第胸椎の棘突起は凹側(左側)へ回旋している。選びやすい理由:肋骨隆起が凸側に現れるため、棘突起も凸側に回旋すると勘違いしやすい。混同注意:側弯の凸側、椎体の回旋方向、棘突起の回旋方向の関係。
国試ポイント
特発性側弯症の検査所見と診断、および治療適応を理解しているか。
混同注意
側弯の凸側と棘突起の回旋方向、および肋骨隆起の左右。棘突起は凸側へ回旋し、肋骨隆起は凸側に現れることを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際は、画像での体幹前屈位の所見(肋骨隆起の左右差)とCobb角、年齢を総合的に見て、側弯の凸方向、治療適応、および椎体回旋の方向を判断します。
関連知識
Cobb角による治療適応基準(10度以上で側弯症と診断、20-25度以上で装具療法考慮、40-45度以上で手術療法考慮)。アダムス前方屈曲テストで肋骨隆起を評価する。