フレイルの高齢者の特徴について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
FBS〈Functional Balance Scale〉はBergのバランス評価で、フレイルの高齢者では筋力やバランス能力が低下するため低値になります(公式正答2)。フレイルでは筋量は減少し、TUG〈Timed Up & Go test〉の時間は長くなり、運動負荷時の自覚的運動強度(Borg指数)は高値になりやすいです。
選択肢ごとの解説
- 1. フレイルでは、加齢や低活動により筋肉量が減少(サルコペニア)することが特徴です。正しくは:筋肉量が減少する。選びやすい理由:フレイル高齢者でも運動介入によって筋力維持・向上が目指せるため、誤解しやすいかもしれません。混同注意:健康な高齢者や、運動習慣のある高齢者の特徴と混同しやすいです。
- 2. 正解。FBS〈Functional Balance Scale〉は14項目からなるバランス評価で、フレイルの高齢者では筋力やバランス能力の低下により低値になります。混同注意:糖尿病との関連で高血糖を想起しがちですが、フレイルは低栄養状態を伴うことが多く、必ずしも高血糖を示すわけではありません。むしろ、低栄養や慢性疾患による消耗状態を反映して低血糖を呈することがあります。
- 3. フレイルでは筋力やバランス能力が低下するため、TUG〈Timed Up & Go test〉の時間は長くなります。正しくは:TUGテストの所要時間が延長される。選びやすい理由:運動能力向上を目指すリハビリの効果と混同しやすいかもしれません。混同注意:健康な高齢者や、身体機能が良好な状態の特徴と混同しやすいです。
- 4. 長座位前屈距離は柔軟性の指標で、フレイルの評価基準(体重減少・筋力低下・疲労感・歩行速度低下・身体活動量低下)には含まれず、フレイルに特徴的な所見とはされていません。正しくは:長座位体前屈の距離が伸びる(値が大きくなる、柔軟性が低下する)。選びやすい理由:柔軟性低下を「縮まる」という表現で捉えてしまうと間違えやすいです。体前屈の場合、距離が「伸びない」ことを「縮まる」と表現する誤解が生じやすいです。混同注意:「距離が短い」という表現を「柔軟性が悪い」と直感的に結びつけがちですが、長座位体前屈では「届いた距離」を測るため、短いほど柔軟性が低いことになります。
- 5. Borg指数(RPE: 運動自覚度)は、運動のきつさを主観的に評価するものです。フレイル高齢者は身体機能が低下しているため、同じ運動負荷でも健常者に比べて運動がきついと感じやすく、Borg指数は高値を示す傾向にあります。正しくは:運動負荷時のBorg指数が高い値を示す。選びやすい理由:運動能力が低いから運動負荷も低い、と錯覚してしまいやすいかもしれません。混同注意:運動能力が高い人のBorg指数と混同しやすいです。
国試ポイント
フレイルの概念と身体的特徴、特に客観的な指標の変化を理解しているかが問われています。サルコペニアや身体活動量、栄養状態といった複合的な要素がどのように身体指標に現れるかを正確に把握することが重要です。
混同注意
フレイルと糖尿病による高血糖を混同しやすい点。また、各身体機能評価指標の解釈(値の大小が機能の良否を示す方向性)を間違えやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後、フレイルの診断基準や介入方法、あるいは特定の身体活動指標のカットオフ値など、より具体的な知識が問われる可能性があります。また、サルコペニア、ロコモティブシンドロームとの鑑別や関連性も重要です。
関連知識
フレイルの診断基準(Friedの基準、日本版フレイル基準など)、サルコペニアの診断基準、各身体機能評価指標(TUG、握力、歩行速度、長座位体前屈など)の正常値と病的意義。低栄養と糖代謝の関係。