乳児の水頭症でみられる症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
落陽現象は、乳児の水頭症や頭蓋内圧亢進において特徴的に見られる眼球運動異常です。脳圧の上昇によって上転神経(中脳にある神経核)が圧迫され、眼球が下方に偏位し、虹彩下縁が下瞼に隠れ、強膜が上方に見える状態を指します。他の選択肢は水頭症の直接的または典型的な症状ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 水頭症と肥満は直接的な因果関係がありません。水頭症は脳室拡大による頭蓋内圧亢進が主な病態です。正しくは:水頭症の主な症状は頭囲拡大、泉門膨隆、嘔吐、落陽現象などです。選びやすい理由:成長発達に関連する症状として、漠然とした身体症状と結びつけてしまうかもしれません。混同注意:脳腫瘍や内分泌疾患など、体重増加を伴う他の神経疾患と混同する可能性があります。
- 2. 口蓋裂は先天性奇形の一つであり、水頭症とは異なる発生学的要因で生じます。正しくは:口蓋裂は顔面形成の異常であり、水頭症とは直接的な関連性はありません。選びやすい理由:先天異常の一般的なイメージと結びつけてしまう可能性があります。混同注意:他の先天性奇形や染色体異常と混同するかもしれません。
- 3. 運動失調は小脳や脳幹の障害によって引き起こされることが多く、乳児の水頭症の初期症状としては一般的ではありません。重度の水頭症で脳全体の機能障害が進むと見られる可能性はありますが、乳児期の典型的な徴候ではありません。正しくは:乳児期の水頭症では、発達の遅れや頭囲拡大、泉門膨隆などがより早期にみられます。運動失調はより広い神経学的異常の範疇で考慮されます。選びやすい理由:「脳の異常=運動機能の障害」という大まかな連想から選びやすいですが、具体的な症状と結びつきません。混同注意:脳性麻痺や小脳疾患など、運動失調を主症状とする他の神経疾患と混同しやすいです。
- 4. 正解。落陽現象(Sunset sign)は、乳児の水頭症や頭蓋内圧亢進の典型的な兆候です。これは、脳圧の上昇により中脳の被蓋が圧迫され、上転障害が生じるために、眼球が下方に押し下げられたように見える現象です。
- 5. 弛緩性麻痺は、下位運動ニューロンの障害や末梢神経、筋肉の病変によって引き起こされます。水頭症は上位運動ニューロンの障害により痙性麻痺を引き起こす可能性はありますが、弛緩性麻痺は直接の症状ではありません。正しくは:水頭症が進行し、脳全体の障害が及ぶと、上位運動ニューロン障害による痙性麻痺や筋緊張亢進が見られることはありますが、弛緩性麻痺とは異なります。選びやすい理由:麻痺という言葉が脳の病気と結びつきやすいため、選びやすいかもしれません。混同注意:ポリオやギラン・バレー症候群などの下位運動ニューロン疾患と混同する可能性があります。
国試ポイント
乳児期の水頭症における特異的な臨床症状を正確に理解しているかが問われています。特に眼科的所見は重要です。
混同注意
水頭症の症状は年齢によって異なり、乳児期は頭蓋縫合が開いているため、頭囲拡大や泉門膨隆、落陽現象などが特徴的です。学童期以降では、頭痛、嘔吐、視力障害などが主症状となります。この違いを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、乳児の水頭症における他の典型的な症状(頭囲拡大、泉門膨隆、嘔吐、発達遅延など)や、成人水頭症との症状の違いについて問われる可能性があります。
関連知識
水頭症の治療法(VPシャント手術など)、シャント機能不全時の症状、脳性麻痺と水頭症の合併など。