廃用症候群について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
廃用症候群は、長期臥床や活動量減少により、循環器系にも影響を及ぼします。具体的には、血液量の減少や血管運動神経の調節障害などが生じ、体位変換(特に臥位から立位へ)の際に血圧が十分に上昇せず、起立性低血圧を引き起こしやすくなります。これは廃用症候群の典型的な症状の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 廃用症候群は、年齢に関わらず、活動量の減少や臥床によって生じます。小児においても、長期の入院や固定などで活動が制限されると発生する可能性があります。正しくは:小児期にも発生する可能性がある。選びやすい理由:廃用症候群は高齢者に多いイメージがあるため、小児には見られないと誤解しやすい。混同注意:高齢者に特に多く見られる疾患である点と、全年齢で起こりうる点を混同しやすい。
- 2. 廃用症候群とフレイルは、どちらも身体機能の低下を伴いますが、同一の概念ではありません。廃用症候群は活動制限によって引き起こされる機能低下を指し、フレイルは加齢に伴う様々な要因(身体的、精神的、社会的)による脆弱性の状態を指します。廃用症候群はフレイルの一因となりえますが、同義ではありません。正しくは:フレイルと関連性はあるが、同義ではない。選びやすい理由:どちらも活動量低下や身体機能低下を伴うため、似た概念として混同しやすい。混同注意:「サルコペニア」「フレイル」「廃用症候群」はしばしば関連付けて議論されるが、それぞれ定義が異なる点を混同しやすい。
- 3. 正解。廃用症候群では、長期臥床や活動量減少により、循環血液量の減少、心拍出量の低下、血管運動神経の機能低下などが起こり、起立時に血圧が適切に調節できず、起立性低血圧を引き起こしやすくなります。選びやすい理由:直接的な症状として覚えやすく、関連性が強い項目であるため選びやすい。
- 4. 一次性サルコペニアは加齢そのものが原因となるサルコペニアを指します。廃用症候群は、活動量の低下などによる「二次性サルコペニア」の原因とはなり得ますが、加齢による一次性サルコペニアの直接の原因ではありません。正しくは:二次性サルコペニアの原因の一つである。選びやすい理由:廃用症候群もサルコペニアも筋力低下を伴うため、混同しやすい。また、サルコペニアという用語の一次性と二次性の区別が曖昧だと誤答しやすい。混同注意:「一次性」と「二次性」サルコペニアの定義。一次性は加齢性、二次性は活動量低下(廃用)、疾患、栄養不良などによる。
- 5. 一般的に、加齢とともに身体の予備能力は低下し、回復力も落ちるため、高齢者ほど廃用症候群は進行しやすく、その症状も重篤になりやすい傾向があります。進行が遅くなるということはありません。正しくは:加齢とともに症状の進行が早まる傾向がある、または重篤化しやすい。選びやすい理由:加齢に伴う身体変化の認識が曖昧だと、間違った解釈をしてしまう可能性がある。混同注意:加齢による変化と、廃用による変化の程度を混同しやすい。
国試ポイント
廃用症候群の基本的な概念、原因、具体的な症状(特に全身性、循環器系、筋骨格系など)、そして他の関連疾患(サルコペニア、フレイル)との違いを正確に理解しているかを問う問題です。各選択肢で提示される病態生理学的知識が正しいかどうかがポイントとなります。
混同注意
廃用症候群、フレイル、サルコペニアは高齢者の機能低下に関連する概念であり、それぞれが密接に関連しつつも異なる定義を持つため、混同しやすい。特に一次性サルコペニアと二次性サルコペニアの違いは頻出のポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、廃用症候群の予防・治療方法、または具体的な介入例(早期離床、運動療法、栄養管理など)が問われる可能性があります。また、サルコペニアの診断基準やフレイルのスクリーニング方法など、関連概念の具体的な内容が問われることも考えられます。
関連知識
廃用症候群の主な症状として、筋力低下、骨量減少、関節拘縮、心機能低下、呼吸機能低下、起立性低血圧、精神機能低下(抑うつなど)などがあります。これらの病態生理学的なメカニズムを理解することが重要です。