体温調節の中枢で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
視床下部は、自律神経系の最高中枢として、体温調節を含む生体の恒常性維持(ホメオスタシス)に最も重要な役割を担っています。体温調節の具体的なメカニズムとしては、体温セットポイントの設定、温冷受容器からの情報統合、そして放熱促進(発汗、皮膚血管拡張)や熱産生促進(ふるえ、代謝亢進)の指令を出すことで、体温を一定範囲に保ちます。
選択肢ごとの解説
- 1. 中脳は姿勢反射や眼球運動、聴覚・視覚の中継などに関与しますが、体温調節の中枢ではありません。正しくは:体温調節の中枢は視床下部です。選びやすい理由:脳の主要な部位であり、様々な機能を持つため、なんとなく正しいように思えるかもしれません。混同注意:脳幹の他の部位(延髄や橋)の機能と混同することがあります。
- 2. 扁桃体は情動反応、特に恐怖や不安の処理に深く関与する部位であり、体温調節の直接的な中枢ではありません。正しくは:体温調節の中枢は視床下部です。選びやすい理由:大脳辺縁系の一部であり、自律神経系と関連する機能も持つため、体温調節にも関与すると思われがちです。混同注意:自律神経系に関わる他の脳部位、例えば視床下部の情動に関する機能と混同しやすいです。
- 3. 正解。視床下部は自律神経系の最高中枢であり、体温調節、摂食・飲水行動、睡眠覚醒リズム、ホルモン分泌など、生体の恒常性維持に不可欠な多くの機能を統合しています。特に体温調節においては、皮膚の温冷受容器や血液温度の変化を感知し、発汗やふるえ、皮膚血管の収縮・拡張などを指令して体温を一定に保ちます。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:この選択肢は正しいです。混同注意:この選択肢は正しいです。
- 4. 小脳虫部は、主に体幹のバランスや姿勢の維持、歩行運動の協調性に関与しますが、体温調節の中枢ではありません。正しくは:体温調節の中枢は視床下部です。選びやすい理由:運動機能と深く関連するため、自律的な身体機能の一部として体温調節も含むと誤解する可能性があります。混同注意:小脳の機能全体、特に運動調節と、自律神経系による恒常性維持機能とを混同することがあります。
- 5. 補足運動野は、複雑な運動の計画や準備、特に内発的な運動の開始に関与する大脳皮質の一部であり、体温調節の直接的な中枢ではありません。正しくは:体温調節の中枢は視床下部です。選びやすい理由:「運動」という言葉から、体温調節に関わる身体活動(ふるえなど)と関連があるように錯覚するかもしれません。混同注意:大脳皮質の運動関連領域の機能と、自律神経系の機能とを混同する可能性があります。
国試ポイント
脳の各部位の機能、特に視床下部が担当する恒常性維持機能(体温調節、摂食、飲水、内分泌など)について問われる頻度が高いです。他の選択肢も脳の重要な部位ですが、その主要な機能を理解しているかが試されます。
混同注意
視床、大脳辺縁系(扁桃体、海馬など)、脳幹(中脳、橋、延髄)の各機能。これらも自律神経系や内分泌系と間接的に関連するため、直接的な中枢である視床下部と混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、視床下部が関与する他の恒常性維持機能(例:摂食・飲水行動、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌)や、それぞれの機能に関わる具体的な神経回路やホルモンの名称について問われる可能性があります。
関連知識
視床下部は、下垂体へのホルモン分泌調節を介して内分泌系とも密接に連携しており、成長、代謝、生殖などの広範な生理機能に関与します。また、情動や動機付けといった高次機能の一部にも関わっています。