脳血管障害の評価として用いられる評価法について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Fugl-Meyer Assessment(FMA)は、脳卒中後の運動機能だけでなく、感覚機能、関節可動域、痛みの有無など、多岐にわたる項目で機能回復度を評価する包括的なツールです。したがって、感覚機能が評価項目に含まれるという記述は正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. mRSは患者の全般的な障害度を示す尺度であり、日常生活動作能力に基づいてスコア化されます。筋緊張は直接的な評価項目ではありません。正しくは:mRSは、脳血管障害による患者の全般的な障害度を評価する尺度であり、日常生活の自立度を主な評価項目とします。選びやすい理由:脳血管障害の評価で筋緊張は重要な項目であるため、含まれていそうに感じる。混同注意:詳細な運動機能評価スケール(Fugl-Meyer Assessmentなど)と混同しやすい。
- 2. SIASは脳卒中後の機能障害を多角的に評価する尺度ですが、意識レベルは含みません。主に運動機能、感覚機能、高次脳機能、日常生活動作などを評価します。正しくは:SIASは、脳卒中後の運動、感覚、高次脳機能など、様々な機能障害を評価する項目を含みます。選びやすい理由:脳卒中急性期には意識障害が見られることが多く、包括的な評価に意識レベルが含まれそうに感じる。混同注意:急性期の重症度評価スケール(GCSなど)と混同しやすい。
- 3. GCSは意識障害の程度を評価するスケールであり、開眼、最善の運動反応、言語反応の3項目で構成されます。関節可動域は評価項目ではありません。正しくは:GCSは、意識レベルを評価する尺度であり、開眼、言語反応、運動反応の3項目で構成されます。選びやすい理由:脳血管障害の重症度評価の初期段階で身体機能も同時に評価するため、関節可動域も含まれそうに感じる。混同注意:運動機能評価(ROM測定など)と混同しやすい。
- 4. NIHSSは脳卒中の重症度を評価するためのスケールで、意識レベル、視覚、顔面麻痺、運動機能、感覚、小脳機能(運動失調)、構音障害、失語などを評価しますが、バランス(平衡感覚)は直接的な評価項目ではありません。小脳機能として運動失調を見る項目はありますが、これは平衡感覚とは異なります。正しくは:NIHSSは、脳卒中の重症度を評価する尺度であり、意識レベル、視覚、運動機能、感覚、言語機能などの項目が含まれています。選びやすい理由:脳卒中ではバランス障害が多く見られるため、NIHSSのような包括的なスケールに含まれそうに感じる。混同注意:より詳細な運動機能評価やバランス評価スケールと混同しやすい。小脳機能評価の項目を平衡感覚と誤解しやすい。
- 5. 正解。FMAは脳卒中後の運動機能回復度を多角的に評価するスケールであり、運動機能だけでなく、感覚機能(表在感覚、深部感覚)、関節可動域、痛みなども評価項目に含まれています。これは、運動回復の背景にある感覚機能の重要性を反映しています。
国試ポイント
脳血管障害の代表的な評価法について、各スケールの目的と具体的な評価項目を正確に理解しているかが問われています。特に、どの評価法がどのような側面を重視しているのかを把握することが重要です。細部にわたる評価項目まで問われるため、主要な評価法の構成を把握しておく必要があります。
混同注意
各評価スケールが評価する範囲が広く、一部の項目が重なることもあるため、それぞれのスケールの主要な目的と特徴的な評価項目を正確に区別することが難しい点です。特に、運動機能に関連する評価項目は多くのスケールに含まれるため、より詳細な項目まで把握していないと誤答につながりやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後も、脳血管障害に限らず、整形外科疾患や神経難病など、様々な疾患における主要な評価法の目的、構成項目、およびその評価項目が意味する具体的な内容について問われるでしょう。特に、評価対象となる機能の種類(運動、感覚、高次脳、ADLなど)と、各項目がどのような基準でスコア化されるかを理解しておくことが重要です。
関連知識
mRS: 日常生活における障害の程度を評価する全般的な尺度。SIAS: 脳卒中後の運動麻痺、感覚障害、高次脳機能障害などを多角的に評価。GCS: 意識レベルを評価。NIHSS: 脳卒中の重症度と神経学的な欠損を評価。Fugl-Meyer Assessment: 脳卒中後の運動機能回復度を詳細に評価するゴールドスタンダードの一つ。