理学療法士の行動で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
医療従事者は、業務上知り得た患者の情報を守秘する義務があります。しかし、その情報は、患者の同意がある場合や、職務遂行上必要かつ適切な範囲であれば、関係者間で共有することが許されます。本問の選択肢3は、患者の住宅改修という治療の一環として、先輩職員に情報共有を行うものであり、職務上の正当な目的と範囲内であるため、適切な行動と言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者の個人情報(病状)を本人の同意なく第三者(友人)に開示することは、守秘義務違反および個人情報保護法に違反します。正しくは:患者の情報を共有する場合は、事前に本人の明確な同意を得るか、職務上正当な理由と範囲内である必要があります。選びやすい理由:親しい関係の友人との会話の中で、無意識に口を滑らせてしまう可能性があるため。混同注意:守秘義務と、家族や介護者への説明が必要なケースとの混同。家族への情報共有は、患者の同意または推定同意に基づいて行われるべきです。
- 2. 医療従事者(作業療法士)の個人情報(自宅住所)を、本人の許可なく患者に開示することは、個人情報保護義務に違反します。また、理学療法士の職務範囲を逸脱した不適切な行動です。正しくは:担当者の個人情報は、職務上必要な場合を除き開示せず、問い合わせには所属機関の連絡先を伝えるべきです。選びやすい理由:患者からの要望に応えたいという気持ちから、安易に応じてしまう可能性があるため。混同注意:医療機関の連絡先や面会時間など、業務上の情報と個人の私的情報の区別。
- 3. 正解。患者の自宅構造の情報は、住宅改修というリハビリテーションの一環として必要な業務であり、その相談のために同じ職場の先輩職員に伝えることは、職務上正当な理由と範囲内での情報共有にあたります。守秘義務の範囲内で適切です。
- 4. 患者の全身が映った動画は個人情報の中でも特に機微な情報であり、これを個人のスマートフォンなど、医療機関の管理下ではないデバイスに保存することは、情報漏洩のリスクが高く、個人情報保護の観点から不適切です。正しくは:医療情報は、医療機関が管理する専用のシステムやデバイスに保存し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。選びやすい理由:手軽に動画撮影・分析ができ、すぐにリハビリに活かせるという利便性から、許容されると考えてしまう可能性があるため。混同注意:業務効率化のためのICT活用と、医療情報の適切な管理・セキュリティ対策との境界。
- 5. 会員制であってもSNSに患者の個人情報(個人が特定できる情報)を投稿することは、守秘義務違反および個人情報保護法に違反します。拡散のリスクがあり、極めて不適切な行為です。正しくは:患者の個人情報は、いかなるSNSにも投稿してはなりません。選びやすい理由:「利用者限定」や「会員制」という言葉から、情報が外部に漏れないと誤解し、内輪の話として共有しても問題ないと考えてしまう可能性があるため。混同注意:友人間やプライベートなSNSでの情報共有と、医療従事者としての守秘義務の厳格な適用範囲。
国試ポイント
理学療法士の職業倫理、特に守秘義務と個人情報保護に関する基本的な理解が問われています。どのような情報が個人情報にあたるか、また、どのような場合に情報共有が許されるかについて、具体的な事例を通して判断する能力が求められます。
混同注意
守秘義務と情報共有の範囲。患者の家族や医療チーム内での情報共有は許される場合が多いですが、その境界線を理解していないと、不適切な情報開示をしてしまう可能性があります。また、私的なデバイスでの情報管理の危険性についても混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、まず「その情報開示・共有は、患者本人の明確な同意があるか」、次に「同意がない場合、職務上の正当な理由と、必要最小限の範囲での開示・共有であるか」「情報管理は適切か」を判断基準として確認します。特に、SNSや個人のデバイス利用、業務外の第三者への開示は厳に避けるべき点として着目します。
関連知識
理学療法士法第18条(秘密保持義務)、個人情報の保護に関する法律、医療・介護における情報セキュリティガイドライン、職務上の必要性と個人情報保護のバランス、インフォームド・コンセント(情報共有の同意取得)